生命保険は夫婦で入ると何が変わる?理由や保険の選び方を解説

夫婦で生命保険に加入していれば、どちらかに病気やケガ、就業不能、死亡といったリスクが生じても、家庭への経済的な影響を抑えられる可能性があります。生命保険への加入を検討する際は、夫婦の働き方や収入のバランス、将来の生活設計などを考慮することが大切です。
本記事では、夫婦の生命保険の加入率と平均保険料、夫婦で生命保険に入る理由やその種類を解説します。また、夫婦で生命保険に加入する場合のポイントもお伝えしますので、参考にしてください。
夫婦の生命保険の加入率と平均保険料

生命保険は、家庭における重要な生活保障の柱として位置づけられています。生命保険文化センターが実施した「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、夫婦を含む二人以上世帯において生命保険への加入は高い水準にあります。
ここでは、夫婦世帯の加入率や平均的な保険料について詳しく見てみましょう。
夫婦の生命保険の加入率
公益財団法人 生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、夫婦世帯の生命保険加入形態は以下のとおりです。
加入形態 | 割合 |
世帯主・配偶者ともに加入 | 78.4% |
世帯主のみ加入 | 8.0% |
配偶者のみ加入 | 2.4% |
世帯主・配偶者ともに未加入 | 11.1% |
約8割の世帯が夫婦双方で生命保険に加入しており、いずれか一方のみが加入しているケースは少数です。内訳を見ると、「世帯主のみ加入している世帯」は「配偶者のみ加入している世帯」に比べて約4倍多くなっています。
この結果から、多くの家庭で、主な収入を担う世帯主の病気・ケガ・死亡リスクを優先的に保障したいと考える傾向があることがうかがえます。
参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
夫婦の生命保険の平均保険料
「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、2人以上世帯における生命保険の年間平均保険料は35.3万円です。月額に換算すると、約2万9,000円となります。
この金額には、死亡保険や医療保険、個人年金保険などすべての生命保険の保険料が含まれています。
世帯主年齢別の平均年間払込保険料は、以下のとおりです。
世帯主年齢 | 平均年間払込保険料(万円) |
29歳以下 | 32.2 |
30〜34歳 | 29.8 |
35〜39歳 | 31.2 |
40〜44歳 | 37.4 |
45〜49歳 | 36.8 |
50〜54歳 | 38.2 |
55〜59歳 | 40.7 |
60〜64歳 | 34.3 |
65〜69歳 | 35.4 |
70〜74歳 | 34.5 |
75〜79歳 | 30.8 |
80〜84歳 | 28.2 |
85〜89歳 | 25.3 |
90歳以上 | 32.6 |
世帯主が55〜59歳のときに年間払込保険料が最も高くなっています。この世代は、住宅ローンや子どもの教育費など支出が重なりやすく、保障ニーズが高まることが背景にあると考えられます。
参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
生命保険に夫婦で入る理由

夫婦で生命保険に加入することで、夫婦のどちらかだけ加入する場合と比べて、生活上のリスクのカバー範囲が広がり、家計全体の安定性が高まります。
ここでは、生命保険に夫婦で加入することが検討される理由について詳しく解説します。
夫婦どちらかの病気やケガに備えられる
人生において、病気やケガは誰にいつ起こるか予測できません。夫婦のどちらかに入院や治療が必要になった場合、保険金や給付金は家計の負担を軽減する役割を果たします。
夫婦のどちらかが重大な病気に罹患すると、治療費がかかるだけでなく、収入が減少する可能性もあります。
特に主要な稼ぎ手が長期の入院や治療を必要とすると、家計への影響は大きくなるでしょう。また、主な収入源ではない配偶者が病気やケガで働けなくなった場合でも、家計への影響は決して小さくありません。
これまで夫婦で分担していた家事や育児を一人で担うことになり、家事代行サービスや子どもの見守りサービスの利用など、従来は発生していなかった支出が新たに生じる可能性があるためです。
単独で加入するよりも、夫婦で生命保険に入るほうが、安心感はより大きいといえるでしょう。
夫婦どちらかの就業不能に備えられる
病気やケガが原因で夫婦のどちらかが長期的に働けなくなると、収入面で大きな影響を受ける可能性があります。特に夫婦二人で家計を支えている場合、ひとりが働けなくなると、もうひとりの収入に大きく依存せざるを得なくなります。
就業不能保険に加入していれば、働けなくなった場合に毎月一定額が給付されるため、不足分の生活費を補うことが可能です。夫婦それぞれが保障を確保することで、どちらかが働けなくなった場合にも対応でき、家計の安定性が一層高まります。
万が一夫婦どちらかが死亡した際に備えられる
生命保険に夫婦ともに加入していれば、万が一夫婦のどちらかが死亡した場合でも、遺された家族の生活費を確保しやすくなります。
夫婦のどちらかが突然亡くなると、遺族は精神面だけでなく、経済的にも影響を受ける可能性があります。住宅ローンの返済や教育費、日々の生活費などを残された家族が引き続き負担していかなければなりません。
夫婦双方が生命保険に加入することで、経済的な備えが整い、日々の生活の安定や子どもの将来への備えにもつながるでしょう。
夫婦での生命保険の加入について検討したい場合は、中立的な相談機関で確認する方法もあります。
夫婦に必要な生命保険の種類

生命保険にはさまざまな種類があり、保障内容や目的によって選ぶ保険は変わります。特に、次の3つの生命保険は重要な役割を果たすため、夫婦で検討しておきたい生命保険といえるでしょう。
- 死亡保険
- 医療保険
- 就業不能保険
それぞれの生命保険の特徴について詳しく解説します。
死亡保険
死亡保険は、被保険者が亡くなった場合に、受取人に保険金が支払われる保険です。夫婦のどちらかに万一のことがあった場合でも、遺された家族の生活費や住宅ローンの返済などにあてることができます。
死亡保険には、次の2つのタイプがあります。
- 定期保険
- 終身保険
定期保険は一定期間のみ保障されるタイプで、保険料が比較的低く抑えられているのが特徴の一つとされています。例えば、子どもが成人するまでの教育費や住宅ローン完済までの期間など、必要な時期に合わせて備えることができます。
終身保険は、生涯にわたり保障が続くタイプです。保険料は定期保険よりも高くなりやすい傾向がありますが、長期的な資金計画や相続対策にも活用することが可能です。被保険者が亡くなった場合に保険金が支払われるため、長期にわたる保障として活用できます。
医療保険
医療保険は、入院や手術、通院などの医療費に備えるための保険です。医療技術の進化により、入院期間は短くなった一方、高額な先進医療や長期の通院が必要になるケースもあります。
医療保険を選ぶ場合は、次の3つの内容を確認することが大切です。
- 入院・手術費の保障
- 特定疾病保障
- 医療特約
入院・手術費が保障される医療保険では、入院日数や手術の内容に応じて給付金が支払われます。
夫婦のどちらかが長期入院しなければならない場合でも、家計の負担を抑えられる可能性があります。入院時の食事代の自己負担分や差額ベッド代に対応している商品もあり、想定外の出費への備えとなります。
また、がんや心筋梗塞、脳卒中などの特定疾病に対する保障も重要です。これらの疾病は治療費が高額になりやすく、治療期間中の負担も大きくなる傾向にあります。医療保険や特約で備えておけば、治療費だけでなく、生活費や通院にかかる費用の補てんにもつながります。
医療保険に単独で加入する方法のほか、死亡保険に医療特約として付加する方法もあります。死亡保障と医療保障を一つの契約にまとめることができ、保障の重複を防ぎながら夫婦双方のリスクに備えやすくなります。
就業不能保険
就業不能保険は、病気やケガによって一定期間以上働けなくなった場合に、毎月一定額の給付金を受け取れる保険です。
死亡保険が万が一のときに備えるものであり、医療保険が治療費の補てんを目的とするのに対し、就業不能保険は働けない期間の生活費を支えるための保障と位置づけられます。
収入が減少することは大きなリスクです。例えば、長期入院や慢性疾患、精神疾患などによって仕事を続けられなくなった場合、医療費に加えて毎月の生活費・固定費の支払いが大きな負担となります。
夫婦のうち一方が働けなくなった場合、家計が不安定になる可能性があります。特に共働き世帯では、収入の一部が途絶えることで、生活を維持するのが難しくなるケースが少なくありません。
就業不能保険によって毎月一定額の給付金を受け取れるようにしておけば、急激な家計の悪化や貯蓄の取り崩しを防げます。
就業不能保険は、夫婦の働き方やライフステージに応じて設計することが重要です。共働きの場合は、夫婦それぞれが就業不能保険に加入しておくことも選択肢の一つです。
夫婦の形や考え方によって、重視する保障は異なります。まずは、生命保険全般について相談したいという場合は、相談窓口を利用しながら検討することもできます。
夫婦型・家族型の生命保険とは

生命保険には、個人単位で契約するタイプだけでなく、夫婦や家族単位で契約することを前提に設計された保険商品もあります。これらは「夫婦型保険」や「家族型保険」などと呼ばれ、複数人を一つの契約でまとめて保障するのが特徴の一つとされています。
夫婦型保険は、夫婦どちらか一方の保障を主契約とし、配偶者や子どもの保障を特約として付ける仕組みの保険です。一方、家族型保険では、夫婦に子どもまで含めて家族全体を一つの単位として保障します。
これらの保険は、保障の効率化や管理の簡素化という良い点があるものの、ライフプランの変化に柔軟に対応するのが難しいという注意点もあるため、両面を踏まえて選択することが重要です。
夫婦型・家族型の生命保険の良い点と注意点について解説します。
夫婦型・家族型の生命保険の良い点
夫婦型・家族型の生命保険の大きな良い点は、次の2つです。
- 保険料を安く抑えられる可能性がある
- 保険を管理する手間が省ける
夫婦型・家族型の生命保険は、夫婦それぞれが保険に加入するよりも、保険料を抑えられる傾向があります。また、保障内容の重複を防ぎやすく、必要以上の支払いを避けることにつながります。
さらに、複数の保険を管理する手間が省けるのも良い点の一つです。個別に生命保険に加入すると、更新時期の確認や保険料支払い、内容の見直しのタイミングなどをそれぞれ管理しなければなりません。
夫婦型・家族型の生命保険では、保障が一つの契約にまとめられるため、管理の手間が大幅に軽減され、保険の内容を把握しやすくなります。手続き面の利便性だけでなく、契約内容を整理しやすいのは良い点といえます。
夫婦型・家族型の生命保険の注意点
夫婦型・家族型の生命保険の主な注意点は、次の3つです。
- 主契約者が亡くなると保障が途切れる場合がある
- 個人単位の柔軟な設計が難しい
- 離婚すると保障が途切れる
夫婦型・家族型の生命保険では、主契約者を中心とした契約の形になっているケースが多く見られます。このような保険では、主契約者が亡くなると契約自体が終了する場合があり、配偶者の保障も同時に失われます。
新たに保険へ加入し直す場合、年齢や健康状態によっては、保険料が高額になったり、加入条件が制限されたりする可能性もあります。
また、夫婦型・家族型の生命保険では、保障内容が共通となるため、夫婦それぞれのリスクやライフスタイルに柔軟に対応しにくい点があります。そのため、本来必要な保障内容と実際の保障内容にズレが生じるケースも考えられます。
夫婦型・家族型の生命保険は婚姻関係を前提とした契約のため、離婚した場合、配偶者の保障が終了する可能性がある点には注意が必要です。このようなケースでは、保障から外れた配偶者は、新たに個人契約として生命保険に加入を検討する必要があります。
夫婦型・家族型の生命保険の加入を検討している方は、相談サービスの利用も選択肢の一つです。
夫婦で生命保険に入る場合のポイント

生命保険は長期契約になることが多く、一度加入すると数十年単位で家計に影響を与えます。そのため、ライフステージや働き方、家族構成といった要素を踏まえて加入を検討する必要があります。
夫婦で生命保険に入る場合、重要なポイントは次の3つです。
- 加入している生命保険を見直す
- 夫婦の働き方を考慮する
- 子どもの有無を考慮する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
加入している生命保険を見直す
夫婦で保険に加入する場合、まずは現在加入している保険の内容について、以下のポイントで見直すことが必要です。
- 保障額は現在の生活水準に合っているか
- 重複している保障はないか
- 不足している保障はないか
- 保険料の負担は適正か
新しく保険に加入するよりも、既存の保険を見直すほうが適切なケースもあり、見直しの過程で保障の過不足が整理されることもあります。
出産や住宅購入、転職、子どもの進学・独立といったライフイベントは、家計に大きな影響を与えます。そのため、家族構成や家計の状況が大きく変わるようなライフイベントがあった場合は、その都度見直しを行うことが大切です。
夫婦の働き方を考慮する
必要な保障内容は、夫婦の働き方によって大きく変わります。どのような形で収入を得ているのかという点は、生命保険に加入する際に欠かせないポイントです。
共働き夫婦の場合は、双方の収入が生活基盤を支えているため、どちらか一方が働けなくなると家計に大きく影響します。そのため、死亡保障だけでなく、就業不能保障や医療保障も選択肢の一つとなります。
また、専業主婦(主夫)であっても、病気やケガで家庭を回せなくなると、外部サービスの利用に頼らざるを得なくなり、想定外の出費が発生することもあるでしょう。このような事態に備えて、専業主婦(主夫)も死亡保障や医療保障を確保しておくことは、一つの選択肢となります。
子どもの有無を考慮する
子どもの有無は、生命保険の加入を検討する際に重要なポイントです。子どものいる世帯では、現在の生活だけでなく将来の教育費や進学費用、独立までの生活費など、先々を見据えた保障を考える必要があります。
夫婦どちらかに万が一のことがあった場合でも、子どもの生活環境や教育機会を維持できるよう準備しておくことが重要です。そのため、子どものいる世帯では、死亡保障だけでなく就業不能保障や医療保障、学資保険など複数の保障を検討する必要があります。
子どものいる世帯が保険へ加入する場合、さまざまな保障を整える必要があるため、保険選びに迷うこともあるでしょう。そのような場合は、相談窓口を利用しながら検討することもできます。
生命保険に夫婦で入る必要性を踏まえて加入を検討しよう

夫婦で生命保険に加入することは、万が一の出来事に備えるだけでなく、家計全体の安定を維持することにつながります。
病気やケガ、就業不能、死亡といったさまざまなリスクは、夫婦のどちらに起きても、家族の生活に影響を及ぼします。そのため、夫婦で生命保険に加入することも選択肢の一つとなるでしょう。
生命保険に加入する場合は、保険料の安さだけで判断するのではなく、働き方や収入のバランス、子どもの有無、将来の生活設計などを踏まえて家庭に合った形に整えることが重要です。
どのように保険を整えればよいのか迷う場合は、相談サービスの利用も選択肢の一つです。










