20代が民間の介護保険に加入する必要性は?選び方も解説

介護保険は高齢期の備えと思われがちですが、事故や病気などによって20代でも介護が必要になる可能性はあります。公的制度の対象や仕組みを踏まえたうえで民間保険の役割を整理することで、自分にとって必要な備えかどうかを判断しやすくなるでしょう。
本記事では、20代が民間の介護保険への加入を検討する必要性や期待できること、保険を選ぶ際のポイントなどを解説します。
20代に介護保険は必要?備えはできる?

20代は公的介護保険の被保険者には含まれないため、公的介護保険による給付の対象にはなりません。しかし、事故や病気によって若年層でも介護が必要になるケースもゼロではないため、備えを検討する方もいます。
ここでは、20代が民間の介護保険への加入を検討する必要性や、公的な介護保険との違いについて解説します。
20代が介護保険加入を検討する必要性
若い世代でも、事故や重い病気などによって日常生活に支援が必要になる可能性があります。特に、長期間の介護状態になると、医療費や生活費、介護サービスの費用など家計への影響が生じるケースもあります。
20代のうちは収入や貯蓄が十分でないことも多く、突然の支出に対応が難しいこともあるでしょう。そのため、万が一の事態に備える手段の一つとして、介護保険が検討されることがあります。将来のリスクを理解したうえで、自分にとって必要な備えかどうかを検討することが大切です。
民間の介護保険であれば加入が可能
日本の公的介護保険制度では、被保険者は原則として40歳以上です。65歳以上は原因を問わず要介護認定等を受けた場合に介護サービスを利用でき、40歳から64歳までは特定疾病が原因の場合に限り対象となります。
そのため、20代は公的介護保険の対象外となります。一方で、民間の介護保険であれば20代から加入できる商品もあり、若い世代でも将来の介護リスクに備えることが可能です。
民間の介護保険では、一般的に要介護状態になった場合に給付金や年金形式で保障を受けられる仕組みが用意されています。商品によって保障内容や支払条件は異なるため、加入を検討する場合は十分に比較検討することが大切です。
公的介護保険と民間の介護保険の違い
民間の介護保険は、公的介護保険とは制度の目的や仕組みが異なります。
項目 | 公的介護保険 | 民間の介護保険 |
制度の位置づけ | 国の社会保険制度 | 保険会社が提供する任意の保険 |
目的 | 高齢者などの介護を社会全体で支える | 公的制度で不足する費用を補う |
加入対象 | 65歳以上の人と、40歳から64歳までの医療保険加入者が被保険者 | 任意で加入 |
保険料 | 年齢・所得などに応じて決定 | 年齢・保障内容などで決定 |
保障内容 | 介護サービス(訪問介護・施設介護など)を利用できる | 一時金や年金形式で給付金を受け取る |
給付条件 | 要介護認定または要支援認定が必要(40~64歳は特定疾病が原因であることが必要) | 保険会社が定める介護状態の基準 |
給付方法 | サービス費用の自己負担を軽減(原則1〜3割負担) | 現金給付が一般的 |
公的介護保険は社会保険制度の一つで、40歳以上の国民が保険料を負担し、要介護認定を受けた場合に介護サービスを利用できる仕組みです。サービス費用の一部を自己負担する形で介護サービスを受けられる点が特徴の一つとされています。
一方、民間の介護保険は保険会社が提供する商品であり、保険会社が定める介護状態になった場合に給付金や介護年金などの形で金銭的な保障を受けられます。保障内容や保険料、給付条件は商品ごとに異なるため、公的制度とは役割が異なる備えとなります。
20代の民間の介護保険の加入率
生命保険文化センターの2025年度における調査によれば、すべての生命保険における介護保険・介護特約の全体の加入率は男性で11.0%、女性で10.0%となっています。
年代別の加入率は、以下のとおりです。
年代 | 男性 | 女性 |
20代 | 4.4% | 4.8% |
30代 | 8.9% | 10.6% |
40代 | 15.4% | 9.4% |
50代 | 14.8% | 14.9% |
60代 | 11.9% | 11.1% |
70代 | 8.0% | 6.7% |
20代の加入率は男女ともに4%前後と低く、他の年代と比べて低い水準にあります。20代で民間の介護保険を検討したい場合、中立的な相談サービスを利用する方法もあります。
参考:生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」
20代で民間の介護保険に加入することで期待できること

民間の介護保険は、年齢や健康状態によって保険料や加入条件が変わることがあります。20代で加入を検討することで、30代や40代と比べて保険料を抑えやすく、健康状態の面で加入しやすくなる可能性があります。
ここでは、若いうちに加入することで期待できるポイントを紹介します。
毎月の保険料を抑えられる可能性がある
民間の介護保険の保険料は、加入時の年齢や保障内容などによって決まります。そのため、20代で介護保険に加入した場合、同じ保障内容でも30代や40代から加入する場合と比べて、保険料負担を抑えられることがあります。
比較的低い保険料で長期的に保障を確保できる点は、若年期に検討される理由の一つとされています。ただし、保障内容や払込期間によって総支払額は変わるため、単に保険料だけで判断するのではなく、保障の内容や将来のライフプランと合わせて検討することが大切です。
健康状態による加入制限を回避しやすい
保険商品は加入時に健康状態の告知が求められることが多く、既往症や持病がある場合は加入が難しくなるケースもあります。
20代は比較的健康な方が多いため、健康状態による加入条件の制限を受けにくい傾向が見られます。将来的に病気や体調の変化があった場合、新たに保険に加入しようとしても条件が厳しくなることも考えられます。
そのため、健康なうちに保険への加入を検討することで、将来の選択肢を広く保ちやすくなる可能性があります。ただし、保険商品ごとに審査基準や条件は異なるため、詳細は各商品の内容を確認することが大切です。
民間の介護保険について詳しく確認したいときは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家が対応する中立的な相談窓口を利用する方法があります。
20代で民間の介護保険の加入が向いている人は?

介護保険の必要性は、年齢だけでなく生活環境や将来設計によっても変わります。20代でも、状況によっては早めに備えておくとよい場合もあります。
ここでは、加入を検討するケースが見られる人の特徴を紹介します。
病気や事故の備えをしたい人
将来の病気や事故によって、長期間の介護が必要になる可能性に備えたいと考える場合、介護保険が検討されることがあります。
若い世代でも、交通事故や重い病気などによって生活に支援が必要になるケースもあります。そのような場合、介護に関する費用は長期間にわたる可能性があり、家計に大きな影響を与える可能性があります。
経済的な負担に備える手段として、介護保険は選択肢の一つとなるでしょう。
健康なうちに有利な条件で加入したい人
保険は一般的に、加入時の年齢や健康状態によって条件が変わる仕組みです。そのため、健康状態に問題がないうちに加入を検討したい場合、20代は一つのタイミングとされています。
年齢が上がると保険料が高くなる場合があり、健康状態によっては加入できないケースもあります。こうしたリスクを避ける目的で、若いうちから将来の保障を準備しておく人もいます。将来のライフイベントを見据えながら、必要な保障を段階的に整えたい人に向いているといえるでしょう。
自営業・フリーランスの人
自営業やフリーランスとして働く人も、民間の介護保険が検討されるケースがあります。会社員と比べて公的制度による所得保障が限られる場合があり、病気やケガによって働けなくなった場合、収入が減少するリスクが高い傾向にあります。
そのため、将来の生活リスクに備える手段として民間の介護保険を検討するのも選択肢の一つです。
20代のうちに民間の介護保険を検討したい場合、中立的な相談機関で確認する方法もあります。
20代が民間の介護保険を選ぶ際のポイント

民間の介護保険にはさまざまな商品があり、保障内容や給付条件、保険料などは保険会社・商品によって異なります。20代で加入を検討する場合は、将来のライフスタイルの変化も見据えながら、公的介護保険との違いも確認したうえで、自分に合った保障内容を選ぶことが大切です。
ここでは、民間の介護保険を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
保障内容を比較検討する
民間の介護保険を検討する際は、まず保障内容をしっかり確認することが重要です。商品によって、所定の介護状態になった場合に一時金が支払われるタイプや、年金形式で継続的に給付を受けられるタイプなどがあります。
また、どの介護状態から給付対象になるのか、給付金額はいくらなのかなど、具体的な条件も商品ごとに異なります。保険料のみで判断した場合、想定している保障内容と異なるケースも考えられます。
そのため、複数の商品を比較し、給付条件や保障内容、保障期間、保険料のバランスを確認しながら検討することが大切です。
公的介護保険との違いを理解して選ぶ
民間の介護保険を検討する際は、公的介護保険との違いを理解しておく必要があります。公的介護保険は、要介護認定または要支援認定を受けた人が、介護サービスを利用するための制度であり、サービス費用の一部を自己負担する仕組みです。
一方、民間の介護保険は、保険会社所定の支払事由に該当した場合に、給付を受けられる仕組みであり、主に経済的な負担を補う役割があります。民間の保険は公的制度を補う位置づけであり、違いを理解したうえで自分に必要な保障内容を検討することが大切です。
あとから内容を見直せるタイプを選ぶ
20代は結婚や転職、収入の変化などライフスタイルが大きく変わる可能性がある年代です。そのため、長期的な保障を考える場合は、将来の状況に合わせて保障内容を見直せるタイプの保険を選ぶこともポイントです。
例えば、特約の追加や保障額の変更ができる商品であれば、生活環境の変化に応じて保障を調整しやすいでしょう。将来の見通しがはっきりしていない段階では、見直しの可否や条件をあらかじめ整理しておくことが大切です。
保険選びで迷ったときは、中立的な相談窓口などで情報を整理する方法もあります。
20代も介護保険について理解しておこう

20代が将来の介護費用や生活資金への備えを考える場合、民間の介護保険は選択肢の一つといえるでしょう。若いうちに加入することで、年齢が上がってから加入する場合と比較して保険料を抑えやすく、加入条件の制限を受けにくいケースがあります。
公的制度と民間の介護保険の役割の違いを理解したうえで、自分の生活状況や将来設計に合わせて検討することが大切です。
介護保険についての疑問点がある場合は、中立的な相談機関で確認する方法もあります。






