がん保険

【40代のがん保険】必要性や男性・女性別加入率、選び方を解説

がんの罹患リスクは年代とともに変化します。40代は特に、罹患数やリスクの上昇が徐々に表れ始める年代とされており、備えについて考えるきっかけとなるケースも見られます。

ただし、がん保険について、世代で一律に必要性を判断できるものではありません。医療保険に加入しているかどうかや貯蓄額などによって、備えの考え方は異なります。

この記事では、40代におけるがんの罹患数や罹患リスク、死亡リスク、男女別の加入率といったデータをもとに、がん保険の必要性や選び方を解説します。

40代のがん保険の必要性について

40代のがん保険の必要性を考える際には、まずがんに関するリスクの水準や特徴を把握しておくことが重要です。年齢や性別によって罹患の傾向やリスクの現れ方には違いがあり、40代はその変化が見え始める年代とされています。

以下では、40代におけるがんの罹患数や罹患リスク、死亡リスク、さらに加入率のデータをもとに、40代におけるがん保険の必要性について解説します。

40代のがんの罹患数

厚生労働省「2023年全国がん登録罹患数・率報告」によると、悪性新生物(上皮内がんを含まない)の罹患数は、40~44歳で男性4,479人、女性12,626人であるのに対し、45~49歳では男性8,634人、女性22,399人と大きく増加しています。40代後半では40代前半よりも高い水準となっており、この年代の中でもリスクの上昇が顕著に表れています。

また、女性は40代前半・後半ともに男性を上回る罹患数です。女性は乳がんや子宮がんなど女性特有のがんの罹患数が多く、これが全体的な女性の罹患数を押し上げていることがうかがえます。特に女性においては、男性よりも若い世代からがんの罹患リスクは高いといえるでしょう。

参考:厚生労働省「2023年全国がん登録 罹患数・率 報告」

40代のがんの罹患リスク

40代のがんの罹患リスクを考える際は、特定の年代だけでなく、累積リスクの中でどの位置にあるかを把握することが重要です。

年齢階級ごとのがんの累積罹患リスクは、以下のとおり示されています。

年齢階級

男性

女性

~39歳

1.2%

2.2%

~49歳

2.7%

6.0%

~59歳

7.2%

11.8%

~69歳

19.8%

20.1%

~79歳

40.5%

31.5%

生涯

62.1%

48.9%

49歳までのがんの累積罹患リスクは男性で2.7%、女性で6.0%であり、39歳までと比較すると男女ともに大きく上昇しています。特に女性は40代までの段階でも男性の倍以上の水準となっており、これには女性特有の乳がんや子宮がんなどの影響が反映されていると考えられます。

また、59歳までではさらにリスクが高まることから、40代は将来的な罹患リスクが本格的に立ち上がる手前の段階と位置付けられるでしょう。全年齢階級から見た場合の数値自体は高いとはいえないものの、年代の進行にともなう変化を踏まえると、リスクの入り口にあたる年代として捉えることができます。

参考:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計 2025」

40代のがんの死亡リスク

以下の表は、年齢階級別のがんの累積死亡リスクをまとめたものです。

年齢階級

男性

女性

~39歳

0.2%

0.2%

~49歳

0.4%

0.6%

~59歳

1.5%

1.7%

~69歳

5.0%

3.8%

~79歳

12.8%

7.9%

生涯

24.7%

17.2%

49歳までの死亡リスクは男女ともに1%未満にとどまるものの、39歳までと比較すると男性は2倍、女性は3倍の数値を示しており、40代に入ることでリスクが一段階高まっていることがわかります。

また、生涯を通して見ると男性のほうが死亡リスクが高い傾向にありますが、49歳まででは女性のほうが死亡リスクが高くなっています。これは、罹患リスクと同様に女性の場合は比較的若い世代においても女性特有のがんの死亡リスクが無視できないことを示すデータといえるでしょう。

40代はがんの罹患や死亡に関するリスクが徐々に高まり始める年代に位置付けられます。数値としてはより上の年齢階級と比較すると限定的な水準にとどまるものの、年代の進行にともなう変化を踏まえると、将来的な影響も考慮して捉えることが大切です。

がん保険の必要性は一律に判断できるものではなく、すでに加入している医療保険の内容や家計状況、働き方などによっても異なります。これらの要素とデータを照らし合わせながら、自身にとってどのような備えが適しているかを検討する視点が重要といえるでしょう。

自身の状況に照らしてどの程度の備えが必要か判断に迷う場合には、保険に関する中立的な相談窓口で専門家のサポートを受けるのも一つの方法です。

参考:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計 2025」

40代のがん保険の男女別加入率

公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、男女別・年齢別のがん保険(がん特約を含む)の加入率は、以下のとおりです。

年代

男性

女性

20代

18.2%

20.0%

30代

40.9%

43.6%

40代

45.2%

47.3%

50代

50.2%

48.1%

60代

41.3%

41.6%

70代

30.7%

34.9%

40代では男女ともに4割を超える方ががん保険、もしくはがん特約付きの生命保険に加入していることが示されています。加入率が最も多い世代は男女ともに50代ではありますが、40代はそれに次ぐ数値であり、一定の備えを検討している方が見られる年代と考えられます。

ただし、加入率はあくまで実態を示す指標の一つであり、この数値のみから必要性を判断することはできません。すでに加入している保険の内容や、どのリスクに備えたいかによっても、考え方は異なります。

自身にとってどのような備え方が適しているのか悩ましい場合には、中立的な保険相談サービスを活用する方法もあります。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

40代のがん保険の選び方のポイント

40代でがん保険を検討する場合、保障内容や給付条件をどのように設定するかによって、備え方に違いが生じることがあります。がん保険は商品ごとに保障範囲や給付の仕組みが異なるため、仕組みを理解したうえで内容を確認することが重要です。

また、医療保険にすでに加入しているケースでは、重複する保障や不足している部分を見極める視点も求められます。自身の状況や想定するリスクに応じて、どのような保障を組み合わせるかを検討することがポイントになるでしょう。

以下で、詳しく解説します。

上皮内新生物の扱いについて確認する

がん保険を検討する際は、上皮内新生物の扱いを確認しておくことが重要です。商品によっては保障対象外となる場合や、給付金額が抑えられているケースもあります。

上皮内新生物とは、がん細胞が基底膜を超えず上皮にとどまっている状態のものを指します。上皮内がん、上皮内腫瘍などと呼ばれることもあり、基底膜を超えてがん細胞が浸潤している悪性新生物(いわゆるがん)とは医学的に区別されるため、違いを理解しておくことが重要です。

上皮内新生物は、血管やリンパ管への浸潤が確認されていない段階であり、転移のリスクは低いとされています。この段階で適切な治療が行われれば、比較的侵襲の少ない方法で治療が完結するケースもあるなど、予後が良好な傾向があるといわれていますが、放置すれば悪性新生物へ進行する可能性もあります。

そのため、発見段階で適切な治療を行うことが重要になってくるでしょう。上皮内新生物が保障対象であればがん保険で治療費がカバーできますが、対象外の場合、公的医療保険の限度額を超える分は自己負担になるため、場合によっては治療費の捻出に頭を悩ませることもあるかもしれません。

どの範囲まで保障されるのか、給付条件や金額の違いを事前に確認しておくことが重要です。

診断給付金の回数を確認する

がん保険を選ぶ際は、診断給付金の支払回数を確認しておくことが重要です。診断給付金は、がんと診断された際にまとまった金額が支払われる仕組みですが、商品によって支払条件や回数に違いがあります。

一度のみ支払われるタイプのほか、一定期間が経過した後に再発や転移などの条件を満たした場合に複数回受け取れるタイプもあります。支払間隔や対象となる状態の定義は商品ごとに異なるため、条件を具体的に確認しておくことが大切です。

40代では再発や長期治療も想定されるため、初回だけでなく、その後の給付がどのように設計されているかを把握しておくことがポイントです。

診断給付金の回数はもちろん、支払条件や間隔、対象範囲を含めて確認し、自身の想定するリスクと合っているかを見ていくことが重要です。

女性は女性特有のがんについても考慮する

がん保険を検討する際は、性別による罹患傾向の違いも踏まえて保障内容を確認することが重要です。女性の場合、乳がんや子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど、女性特有のがんに対する備えも検討する必要があるでしょう。

これらのがんは比較的若い年代から罹患が見られるものもあり、40代は発症が一定程度増加する時期と重なります。実際に、40代では女性のがんの罹患数が男性を上回る傾向が見られ、部位別の特徴が全体の数値にも影響していると考えられます。

がん保険の中には、女性特有のがんに対して手厚い給付や特約を備えた商品もあります。また、女性向けの医療保険と組み合わせるという方法もあるため、視野を広く持って女性特有のリスクにどう備えるかを検討することが大切です。

一時金のほか通院・治療に対する保障を厚くする

がん保険を検討する際は、診断時に受け取る一時金だけでなく、その後の通院や治療に対する保障内容も確認しておきましょう。

近年のがん治療は入院期間の短縮や外来治療の増加が進んでおり、通院による薬物療法や放射線治療が中心となるケースも見られます。そのため、入院給付だけでは対応しきれない支出が生じる可能性があります。

一般的に働き盛りとされる40代では、仕事を継続しながら治療を受ける場面も想定されるでしょう。通院回数の増加や治療の長期化により、医療費だけでなく交通費や収入面への影響が生じることも考えられます。

このような状況を踏まえると、通院給付金や治療給付金など、継続的な支出に対応する保障の有無を確認しておくこともポイントとなります。

診断一時金とあわせて、どのような場面でどの程度の給付が受けられるのかを把握し、想定される治療の流れと照らし合わせて検討することが大切です。

特約の選択肢をチェックする

がん保険を検討する際は、基本保障に加えてどのような特約が付加できるかも確認しておくことが重要です。がん保険には、先進医療特約や通院給付金特約、治療給付金特約など、さまざまな選択肢が用意されています。

特約の内容は商品ごとに異なり、対象となる治療や給付条件にも違いがあります。例えば、先進医療にかかる技術料を対象とするものや、抗がん剤治療・放射線治療などに応じて給付が行われる仕組みなど、保障の範囲は多様です。

40代では、治療が長期にわたる可能性や、働きながら治療を受ける状況も想定されるため、どのような治療に備えるのかという観点で特約の内容を確認することが求められます。

一方で、特約を付加しすぎると保険料の負担が大きくなる場合もあるため、必要な範囲を見極める視点も重要となるでしょう。

特約ごとの役割や給付条件を把握したうえで、自身の状況や想定するリスクに応じて組み合わせを検討するようにしましょう。

保障内容と保険料のバランスを見極める

がん保険を検討する際は、保障内容と保険料のバランスを確認しておきましょう。保障を広げるほど受け取れる給付の範囲は増えますが、その分、保険料の負担も大きくなる傾向があるためです。

40代は収入が安定している方も多い一方で、住宅ローンや教育費などの支出が重なる時期でもあります。保険料を無理なく支払い続けられる水準かどうかを踏まえながら、どの程度の保障を設定するかを検討することが大切です。

また、がん保険は長期にわたって継続することが前提となるため、加入時点だけでなく、その後の家計状況の変化も見据える視点が求められます。例えば、子どもの独立や収入の変化など、ライフステージによって必要とする保障の範囲が変わることも考えられます。

保障内容と保険料のバランスを確認しながら、継続しやすい水準かどうかを基準の一つとして検討することが重要といえるでしょう。

世代ごとに一定の傾向はあるものの、40代の方すべてに同じ内容のがん保険が適しているわけではありません。どのポイントを特に重視するか、必要な保障をどう選ぶのかに迷う場合は、保険に関する中立的な相談サービスを利用する方法もあります。

医療保険+がん特約とがん保険、どちらを選ぶ?

保険によるがんへの備え方には、医療保険にがん特約を付加する方法と、がん保険に単独で加入する方法があります。いずれもがんに備える手段ではありますが、保障の考え方や給付の仕組みには違いがあるため注意が必要です。

40代ではすでに医療保険に加入しているケースも多く、どの方法で備えるかは現在の保障内容によっても変わります。違いを把握したうえで、自身の状況に合う形を検討することが重要です。

以下では、それぞれの特徴と、どのような場合に選択肢となり得るかを見ていきましょう。

医療保険+がん特約が向いている方の特徴

医療保険にがん特約を付加する形は、がん以外の病気やケガも含めて幅広く備えたい場合の選択肢になるでしょう。入院や手術などの基本的な保障をベースにがんに関する給付を追加することで、保障を一元管理できる点が特徴の一つとされています。

40代は、生活習慣病や突発的なケガなど、がん以外のリスクも無視できない年代にあたります。そのため、まずは医療全体に対する備えを優先し、その中でがんへの対応も組み込むという考え方が選択肢の一つとなるでしょう。

また、保険契約を複数に分けずに管理したい場合や、保障内容をシンプルにしたい場合にも、この形が検討されることがあります。ただし、がんに特化した保障と比べると、給付内容や範囲が限定される場合もあるため、どの程度の備えを想定するかに応じて内容を確認しておくことが重要です。

がん保険が向いている方の特徴

がん保険は、がんに特化した保障を備えることを目的とした保険であり、診断給付金や治療給付金などを中心に設計されている点が特徴です。家系や生活習慣などからがんリスクを強く意識している方、罹患した場合に高額な先進医療や長期の薬物療法まで想定している方など、特にがんに関するリスクへの備えを重視する場合、検討対象になる可能性があります。

診断一時金や治療給付金を高めに設定し、通院・先進医療などがん治療に特化した手厚い保障設計を望む場合に選ばれやすい選択肢といえるでしょう。

医療保険+がん保険が向いている方の特徴

医療保険とがん保険を組み合わせる形は、がん以外の疾病に対する備えと、がんに対する保障の両方を重視する場合の選択肢の一つです。医療保険で入院や手術などの基本的な保障をカバーしつつ、がん保険で診断給付金や治療給付金を補う構成です。

一方で、医療保険とがん保険の両方に加入する場合、入院給付などが重複する可能性もあります。保障内容によっては必要以上の給付設計となることも考えられるため、それぞれの役割や給付条件を踏まえ、どの範囲まで備えるかを考えたうえで組み合わせを検討する視点が大切といえるでしょう。

医療保険とがん保険をどのように考えるのか、難しいと感じることもあるかもしれません。そういった場合は中立的な相談窓口を通じて、第三者の客観的な視点からのアドバイスを基に、自身に合った保険の選び方や組み合わせ方を考えるのも一つの手段です。

40代のがんのリスクを認識して備えを検討しよう

40代は、がんの罹患数や罹患リスクが前の年代と比べて変化し始める時期にあたります。

死亡リスクはより上の世代と比較すると限定的な水準にとどまるものの、年代の進行にともなって上昇していく傾向が見られます。こうしたデータから、40代はがんに関するリスクを現実的なものとして捉え始める段階と位置付けられるでしょう。

また、がん保険の加入率も一定の水準に達しており、備えについて検討されるケースが多い年代であることがうかがえます。ただし、必要性は一律に判断できるものではなく、すでに加入している医療保険の内容や家計状況、働き方などによっても異なります。

がん保険の必要性や選び方は、家計状況や既存の保障内容によって考え方が分かれる部分です。どのような備え方が自身の状況に合うのか判断に迷う場合には、保険に関する中立的な相談窓口で考え方を確認する方法もあります。

保障内容や条件を踏まえながら、納得できる形で備えを検討していくことが大切です。

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