20代にがん保険は必要?加入を検討する際のポイントを男女別に解説

がん保険には、0歳から加入できる商品もあり、20代で加入を検討する方もいます。しかし、がんは年齢が高くなるほど罹患率が高くなるため、「20代でがん保険を検討する必要があるのか」と考える方もいるでしょう。
本記事では、20代にがん保険は必要なのか、加入率なども参考にしながら、男女別の傾向を踏まえて解説します。また、がん保険に加入する必要性が高い方の特徴や、がん保険の選び方についても紹介します。
がん保険は何歳から加入する?年代別加入率を解説

生命保険文化センターが公表した「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によれば、がん保険やがん特約の加入率は全体で39.9%でした。約4割の方が、がんに罹患した場合の治療費などに対して民間保険で備えていることがわかります。
調査年別のがん保険・がん特約の加入率は、以下のとおりです。
【がん保険・がん特約の加入率】
調査年 | 2001年 | 2004年 | 2007年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 | 2019年 | 2022年 | 2025年 |
加入率 | 21.2% | 25.3% | 31.2% | 33.1% | 37.3% | 37.8% | 42.6% | 41.9% | 42.0% |
※対象年齢を18~69歳として再集計したため、2025年の加入率が異なります。
全体として、がん保険・がん特約の加入率は増加傾向にあることがわかります。
また、同じく生命保険文化センターが実施した「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、民間の生命保険に加入している世帯のうち、がん保険やがん特約の世帯加入率は68.2%、世帯主だけに限ると60.7%の加入率でした。
死亡保険や医療保険などのさまざまな保険がある中で、がん保険やがん特約などを選択している方が多いことがわかります。世帯主年齢別のがん保険・がん特約の加入率は、以下のとおりです。
【民間保険加入世帯における世帯主年齢別のがん保険・がん特約の加入率(2024年)】
世帯主の年齢 | 加入率 |
29歳以下 | 60.9% |
30~34歳 | 66.9% |
35~39歳 | 66.3% |
40~44歳 | 68.7% |
45~49歳 | 70.8% |
50~54歳 | 73.2% |
55~59歳 | 75.2% |
60~64歳 | 72.5% |
65~69歳 | 69.4% |
70~74歳 | 61.4% |
75~79歳 | 61.4% |
80~84歳 | 51.0% |
※85歳以上はサンプル数が30未満と少ないため、割愛しています。
世帯主年齢別にみると、加入率は概ね年齢とともに上昇し、55~59歳で75.2%と最も高く、その後は下降傾向が見られます。
参考:生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」
参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
男性の加入率
「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、男性のがん保険・がん特約の加入率は38.7%です。年代別に見ると、20歳代は18.2%と低いものの、30歳代になると40.9%と倍増します。
【男性の年代別がん保険・がん特約の加入率(2025年)】
20歳代 | 18.2% |
30歳代 | 40.9% |
40歳代 | 45.2% |
50歳代 | 50.2% |
60歳代 | 41.3% |
70歳代 | 30.7% |
年代が上がるにつれて加入率が上昇し、50歳代では男性の半数以上ががん保険やがん特約に加入していますが、60歳代になると減少傾向に転じます。
女性の加入率
女性のがん保険・がん特約の加入率は、40.8%です。20歳代の加入率は20.0%ですが、30代になると43.6%と男性と同じく倍増し、50歳代で加入率のピークを迎え、60歳代になると減少に転じます。
【女性の年代別がん保険・がん特約の加入率(2025年)】
20歳代 | 20.0% |
30歳代 | 43.6% |
40歳代 | 47.3% |
50歳代 | 48.1% |
60歳代 | 41.6% |
70歳代 | 34.9% |
日本人の死因の第1位(2024年)は悪性新生物(腫瘍)、いわゆるがんで、全体の23.9%を占めています。男女問わず30~60歳代の方の4割以上ががん保険やがん特約に加入しています。こうした傾向の背景には、年齢とともに健康リスクへの備えを意識しやすくなることがあると考えられます。
がん保険やがん特約を検討する際は、加入する場合なら何歳頃が適切かなど、保険についての疑問は、中立的な保険相談機関に相談してみるのも一つの方法です。保険についての一般的な考え方などについて、知見を得られることがあります。
参考:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」
20代にがん保険は必要?必要性の高い人の特徴

「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によれば、20代でがん保険に加入している方は約2割と、他の年代と比べて多くはありません。しかし、次のいずれかに該当する方は、20代であってもがん保険を選択肢の一つとして考えるケースがあります。
- 貯蓄が十分でない人
- 治療中の生活費に不安がある人
- がん治療の選択肢を増やしたい人
- 月々の保険料を抑えたい人
それぞれに該当する方が、がん保険を検討する理由について解説します。
貯蓄が十分でない人
がんが発見されると、手術や放射線、抗がん剤などによる治療が始まる可能性があります。治療内容や患者の状態によっては、入院が必要になることもあるでしょう。
貯蓄が十分ではなく、治療や入院の費用に不安がある場合は、がん保険で備える方法も考えられます。がんだけでなく病気やケガに広く備えたい方なら、医療保険に加入し、がん特約を付加するのも一つの方法です。
また、がんは転移や再発の可能性がある疾病です。当面の治療費や入院費は貯蓄で対応できても、将来的ながん関連の費用には対応できない可能性もあります。貯蓄が十分ではないと感じる方や、がんの治療費・入院費を支払うと将来の資金計画に影響が生じる可能性がある方は、がん保険やがん特約を活用した備えを検討できるでしょう。
治療中の生活費に不安がある人
がんに罹患した場合に必要になるのは、治療費や入院費だけではありません。治療中は働くことが難しくなり、収入が減る可能性があるため、当面の生活費も確保する必要があります。治療中の生活費に不安がある場合は、がん保険やがん特約の加入を検討できます。
特に注意したいのが、フリーランスや自営業者などの国民健康保険被保険者です。国民健康保険には原則として「傷病手当金」の制度がないため、がんの治療などのために休業し、十分な報酬を得られない場合でも、特別な手当は受けられません。
傷病手当金とは 以下のすべての条件を満たす場合に一定の手当金が給付される制度。支給開始日より通算1年6ヶ月受給できる。
|
国民健康保険被保険者は休業中の収入が著しく減少する可能性があります。生活費が不足した場合に備えるためにも、がん保険が選択肢の一つとして検討される場合があります。
参考:協会けんぽ「傷病手当金」
がん治療の選択肢を増やしたい人
がんの種類や位置、患者の状態によっては、医師から複数の治療方法が提案される可能性があります。治療方法の中には保険診療外の「先進医療」が含まれることもあります。また、保険診療では治療が難しい場合も、先進医療が勧められることもあるでしょう。
先進医療に係る技術料は公的医療保険の適用対象外のため、全額自己負担となり、高額になる可能性があります。治療の選択肢を広げたい場合は、先進医療を保障対象とするがん保険やがん特約を検討できるでしょう。
また、保険診療であっても自己負担額が低いとは限りません。放射線治療や抗がん剤治療は繰り返し受けることも想定されるため、費用負担が大きくなる可能性があります。
さらに入院時に個室や少人数部屋を希望した場合は、差額ベッド代が必要です。入院保障のあるがん保険であれば、入院時に給付金を受け取ることができる可能性があり、万が一の状況にも備えやすくなるでしょう。
月々の保険料を抑えたい人
がん保険の保険料は、加入時の年齢や性別、持病の有無などによって決まります。一般的に年齢が若いほど保険料は低い傾向にあるため、一生涯保険料が変わらない終身型のがん保険を選ぶ場合は、20代などの若いうちに加入することも選択肢の一つです。
ただし、定期型のがん保険では、更新時に保険料が見直されます。加入当初は保険料が安くとも、徐々に高額になる可能性があるため注意が必要です。
がん保険に加入する必要があるのか悩んだ場合は、中立的な相談機関で確認する方法もあります。
20代でのがん保険加入により期待されること

20代でがん保険を検討する場合、保険料や加入条件の面でいくつかの特徴が見られます。
- がん罹患時に備えられる
- 保険料の負担を抑えられる可能性がある
- 加入条件の面で選択肢が広がりやすい
それぞれのポイントを解説します。
がん罹患時に備えられる
がんは年齢が高くなるほど罹患率が高くなる疾病ですが、20代や30代の若い方も絶対に罹患しないとは言いきれません。「がんの統計 2025」によれば、20代でがんに罹患する方は人口10万人に対して32.9人です。
【40歳未満の年齢階級別がん罹患率(2020年)】
年齢 | 人口10万人に対するがん罹患者数 |
0~14歳 | 13.8人 |
15~19歳 | 15.2人 |
20~29歳 | 32.9人 |
30~39歳 | 102.1人 |
20代でがん保険に加入しておくことで、若くしてがんに罹患した場合の経済的負担に備えることができます。
保険料の負担を抑えられる可能性がある
一般的にがん保険は、加入時の年齢が若いほど月々の保険料が低く設定されています。20代でがん保険に加入すれば、30代以降に加入するよりも月々の保険料を抑えられる可能性が高いでしょう。
ただし、がんに罹患しなかった場合は、がん保険の加入期間が長期にわたり、30代以降で加入するよりも支払う保険料の総額が大きくなる可能性があります。ご自身の健康状態や家族のがん罹患率などとも照らし合わせて、がん保険に加入するタイミングを決めることが重要です。
加入条件の面で選択肢が広がりやすい
年齢とともに、健康状態に問題が生じる可能性は高まります。がん保険やがん特約のある医療保険に加入する際には健康状態を確認されることが一般的なため、健康状態に問題が生じてからでは保険に加入が難しくなるでしょう。
若く健康なうちにがん保険やがん特約のある医療保険に加入し、将来に備える方法も検討できます。どのタイミングで保険に加入するか迷ったときは、中立的な相談機関で相談してみるのも一つの方法です。
20代でがん保険に加入する際に知っておきたいこと

約2割の方が、20代でがん保険やがん特約に加入しています。加入前に次のポイントを確認しておきましょう。
- 長期間がん保険に加入することになる
- 保障内容が現状に合わなくなる可能性がある
それぞれのポイントについて解説します。
長期間がん保険に加入することになる
がんは年齢が高くなるほど罹患率が上昇する疾病で、特に60代~80代に罹患する方が多い傾向にあります。そのため、がん保険やがん特約に加入するなら、60代~80代程度までは契約を継続することを想定している方もいるでしょう。
しかし、20代でがん保険に加入すると、保険加入期間が長期におよぶ可能性があります。例えば、20歳から80歳になるまで加入する場合、60年にわたり保険料を支払うことになります。
がん保険によっては、がんと診断確定した後は保険料の支払いが免除される「保険料払込免除特約」を付加できることがありますが、がんに罹患しない場合は解約するまで保険料だけを支払い続けることになり、総支払額が大きくなる可能性があります。
保障内容が現状に合わなくなる可能性がある
がん保険の保障内容は、がん治療の現状に合わせて変化しています。加入してから長期間が経過したがん保険では、現在の治療環境と保障内容が一致しないケースも見られます。
例えば、診断給付金が一度しか支払われないがん保険では、再発や転移のケースだけでなく、新しいがんが見つかったケースにおいて診断給付金を受け取れない可能性があります。
近年は通院治療が主流ですが、入院をともなわない通院には給付金が支払われないがん保険もあり、備えが不十分となるおそれがあります。現状に合ったがん保険に加入するためにも、定期的な保障内容の見直しが重要です。
20代のがん保険の選び方

がん保険に加入する場合は、次のポイントに注目して選びましょう。
- 保障内容
- 死亡保障の有無
- 掛け捨て型・貯蓄型
これらのポイントは、どの年代の方にとっても重要です。ここでは、特に20代の方が各ポイントに注目する理由について解説します。
保障内容
20代は、30代以降と比べると収入が低い傾向にあります。月々の保険料が気になる場合は、保障内容を厳選することも一つの方法です。
例えば、比較的保険料が低めの先進医療特約は付加する、入院給付金や手術給付金をなくして診断一時金だけにするなどの方法により、保険料を抑えられる場合があります。保険料が家計を圧迫することがないよう、必要な保障を厳選してがん保険を組み立てましょう。
死亡保障の有無
がん保険によっては、被保険者が死亡した場合や所定の高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる「死亡保障」や「高度障害保障」を選択できることがあります。扶養家族がいない方なら、死亡保障や高度障害保障を付加しないという選択肢も考えられるでしょう。
死亡保障や高度障害保障を付加する場合でも、保険会社によって月々の保険料が異なります。複数の保険会社を比較し、保障内容や保険金額に納得できるがん保険を選ぶことが大切です。
掛け捨て型・貯蓄型
保険には、満期保険金や解約返戻金のない「掛け捨て型」と、満期保険金や解約返戻金の設定がある「貯蓄型」があります。一部の掛け捨て型の保険では解約返戻金を受け取れることがありますが、金額があまり多くないことが一般的です。
掛け捨て型は貯蓄型と比べると、月々の保険料が低く設定されている傾向にあります。保険料を抑えたい場合は、掛け捨て型も選択肢の一つです。なお、がん保険は掛け捨て型の商品が多いため、幅広い選択肢から検討できます。
一方、貯蓄型は月々の保険料は掛け捨て型よりも保険料が高くなる傾向にありますが、満期や解約の際にまとまった金額を受け取れることがあるため、貯蓄の一種としても活用できます。ただし、貯蓄型のがん保険は比較的少ないため、選択肢が狭まる可能性がある点には注意が必要です。
貯蓄型か掛け捨て型か迷ったときは、中立的な相談機関で相談してみるのも一つの方法です。
年齢問わずがんへの備えを確認しておこう

20代の約5人に1人は、がん保険やがん特約で備えています。がんへの備えが必要と感じる方は、年齢を問わずがん保険やがん特約を検討できるでしょう。
がん保険に加入する際には、保障内容や貯蓄性の有無、保険料などにも注目することが必要です。ご自身が必要だと判断する保障を納得できる保険料で備えるためにも、複数の保険を比較してみましょう。
保険の選び方で悩んだときには、中立的な相談機関で確認する方法もあります。









