がん保険

悪性リンパ腫はがん保険の対象になる?受け取れる給付金や保険の選び方を解説

悪性リンパ腫はがん保険の対象になる?

悪性リンパ腫は「がん」に該当するのか、がん保険の保障対象になるのか気になる方もいるでしょう。

ここでは、悪性リンパ腫の概要や、がん保険でどのように取り扱われることがあるかについて解説します。

悪性リンパ腫は血液のがんの一種

悪性リンパ腫は白血球の一つであるリンパ球ががん化して、リンパ節や全身の臓器で増殖する病気です。

病名に「がん」という言葉はありませんが、血液のがんの一種です。首やわきの下、足の付け根などリンパ節が多い部位に腫れやしこりがみられることがあります。

多くの場合、痛みをともないませんが、急速に大きくなると痛みを感じることもあります。さらに、発熱や発疹、皮膚のしこりなど、さまざまな症状が現れる場合もあります。

悪性リンパ腫は中高年で多くみられる傾向があり、国立がん研究センターの統計では、次のようなデータが示されています。

  • 2023年に新たに悪性リンパ腫と診断された人:37,601人
  • 人口10万人あたりの罹患率:30.2例(男性33.2例、女性27.4例)
  • 人口10万人あたりの死亡率:11.6人(男性13.1人、女性10.1人)

参考:国立がん研究センター「がん統計 悪性リンパ腫」

多くのがん保険では悪性リンパ腫も保障対象

多くのがん保険では、「悪性新生物」と診断された場合に給付金の支払対象となる仕組みが採用されています。悪性リンパ腫も悪性新生物に含まれるため、多くのがん保険で保障対象とされています。

そのため、がん保険に加入して悪性リンパ腫に罹患した場合、所定の条件を満たせば診断給付金や治療に関する給付金を受け取れる場合があります。

なお、がん保険は一般的に契約後90日程度の待ち期間(免責期間)があります。その間に初めてがんと診断された場合は保障対象外となる商品が多いため、事前に約款や契約概要を確認しておくことが大切です。

悪性リンパ腫で受け取れる可能性がある給付金

悪性リンパ腫と診断された場合、がん保険の契約内容や支払条件に応じて、さまざまな給付金の支払対象となることがあります。治療の種類や入院の有無などによって受け取れる給付金は異なるため、どのような保障があるのかを把握しておくことが大切です。

ここでは、受け取れる可能性がある給付金について解説します。

がん診断給付金

がん診断給付金は、医師により所定のがんと診断された時点で受け取れる給付金です。悪性リンパ腫も対象となることが多く、診断が確定した段階でまとまった給付金が支払われる商品もあります。

がん診断給付金は使い道が限定されておらず、治療費だけでなく、生活費や通院にかかる交通費など、幅広い用途にあてられます。治療開始直後には収入が減る可能性もあるため、まとまった給付金があることで、費用面の見通しを立てやすくなることがあります。

入院給付金・通院給付金

悪性リンパ腫の治療では、入院や通院が必要になるケースがあります。入院給付金は入院日数に応じて、通院給付金は通院日数に応じて支払われる給付金です。

近年は医療技術の進歩により、通院で抗がん剤治療を受けるケースも増加傾向にあります。入院期間が短縮される一方で通院回数は増える傾向にあり、通院給付金の重要性も高まっているといえるでしょう。

これらの給付金は、治療にともなう交通費や生活費の補てんとして活用でき、家計への負担を軽減する役割もあります。

抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療給付金は、がんの治療を目的として、所定の抗がん剤治療を受けた場合に支払われる給付金です。悪性リンパ腫の治療では抗がん剤を含む薬物療法が中心となることも多く、重要な保障といえるでしょう。

保険商品によっては、治療を受けた月ごとに給付金が支払われる仕組みになっており、通院での治療にも対応しています。長期間にわたる治療でも継続して給付を受けられる場合があり、治療費の備えとして活用されることがあります。

ただし、対象となる治療や支払回数には制限がある場合もあるため、契約内容を事前に確認しておくことが大切です。

先進医療給付金

がん保険に先進医療特約が付いている場合、先進医療給付金を受け取れる場合があります。

先進医療給付金とは、公的医療保険の対象外となる先進医療を受けた場合に、その技術料を補うための給付金です。悪性リンパ腫でも、一部の病型や治療内容によっては、特定の先進医療が選択されるケースがあります。

先進医療は高度な技術を用いるため費用が高額になることがあり、先進医療に係る技術料は全額自己負担となります。そのため、先進医療給付金があると、経済的な不安を軽減しながら治療の選択肢を広げられる可能性があります。

ただし、対象となる医療技術は厚生労働省が定めており、すべての治療が該当するわけではありません。

悪性リンパ腫をはじめとするがんへの備え方を考える際は、中立的な相談サービスの利用も選択肢の一つです。

悪性リンパ腫になってからでも保険に加入できる?

すでに悪性リンパ腫と診断されている場合、一般的には生命保険やがん保険の新たな加入はハードルが高くなります。ただし、まったく選択肢がなくなるわけではありません。

ここでは、悪性リンパ腫に罹患してからの保険加入について解説します。

がん保険の加入は難しい

悪性リンパ腫と診断されたあとに、新たにがん保険へ加入することは一般的に難しいとされています。がん保険は、がんと診断された際のリスクに備える商品であり、すでに診断されている場合は保障対象外となることが多いでしょう。

また、加入時には健康状態の告知が必要となり、過去の病歴や現在の治療状況が審査に影響します。悪性リンパ腫のような重大な病気の場合、通常のがん保険では加入を断られるケースもあります。

加入できる保険は限られる

悪性リンパ腫と診断された場合、加入できる保険の選択肢は限られます。一般的な医療保険や死亡保険では、完治して一定の期間が経過しているなどの条件があり、治療中や治療後間もない時期の加入は難しいといえるでしょう。

このような状況では、告知項目が限定された保険などが、選択肢として検討されることがあります。

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、持病や既往歴がある人でも加入しやすいように、告知項目を限定した保険です。通常の保険に比べて審査基準が緩やかであるため、悪性リンパ腫の治療歴がある場合でも加入できる可能性があります。

ただし、その分保険料は一般的な保険よりも高めに設定されることが多く、加入後一定期間は給付額が制限される場合もあります。

また、すべての病状で加入できるわけではないため、条件の確認が必要です。

無選択型保険

無選択型保険とは、健康状態に関する告知や医師の診査なしで加入できる保険です。持病がある人や、過去に大きな病気を経験した人でも申込みの対象となる場合があります。

ただし、保険料は比較的高く設定されており、保障内容も限定的な場合があります。また、加入後一定期間は給付金が支払われないなどの条件が設けられていることもあるため、保障内容やコスト面を十分に理解したうえで検討することが大切です。

悪性リンパ腫と診断されたことがあり、保険加入を検討している場合、中立的な相談窓口で確認する方法もあります。

悪性リンパ腫でかかる治療負担を軽減できる公的制度

悪性リンパ腫の治療は、入院や通院、抗がん剤治療などが長期間に及ぶこともあり、医療費や生活費の負担が大きくなる場合があります。しかし、日本には医療費の負担を軽減するための公的制度が用意されており、制度を活用することで、医療費や収入減少に備えやすくなる場合があります。

ここでは、治療負担を軽減できる代表的な公的制度について解説します。

医療費控除

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。本人だけでなく、生計を同じくする家族の医療費も合算して申請できます。

悪性リンパ腫の治療では、入院費や手術費、抗がん剤治療の費用、通院のための交通費などが対象となります。これらの医療費が年間で10万円(または所得の5%のいずれか低い金額)を超えた場合、確定申告を行うことで医療費控除を受けることが可能です。

医療費控除を利用する際は、領収書や医療費の明細書を保管しておく必要があります。医療費を直接減らす制度ではありませんが、税金の還付を受けることで実質的な負担軽減につながる場合があります。

参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

高額療養費制度

高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が支給される制度です。自己負担限度額は年齢や所得区分によって異なりますが、医療費が高額になりやすいがん治療では重要な制度の一つといえるでしょう。

悪性リンパ腫の治療では、入院や抗がん剤治療などで医療費が高額になるケースがあり、制度を利用することで自己負担額を一定の範囲に抑えられる場合があります。

参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガで働くことができなくなった場合に、生活を支えるための給付を受けられる制度です。会社員など健康保険に加入している人が対象となり、療養のために仕事を休み、給与の支払いを受けられない場合に支給されます。

悪性リンパ腫の治療では、入院や副作用によって一定期間働くことが難しくなるケースもあります。そのような場合、傷病手当金を利用することで、収入の一部を補うことが可能です。支給額はおおむね「標準報酬日額の3分の2相当」で、最長で1年6ヶ月まで支給される仕組みです。

ただし、自営業者やフリーランスなど国民健康保険の加入者は原則として対象外となります。日本には多くの公的制度があるものの、医療費や生活費の負担をすべて賄えるわけではありません。

公的制度に加えて民間保険の活用を検討する際には、中立的な相談窓口を利用しながら検討することもできます。

参考:協会けんぽ「傷病手当金|給付と手続き」

がん保険の加入を検討するときのポイント

公的制度によって医療費の負担を軽減できる場合はありますが、通院費用や収入の減少、差額ベッド代など、制度では補えない費用が発生することもあります。

そのため、がん保険を活用して経済的な備えを検討する人も少なくありません。加入を検討する際は、保障内容や給付条件を確認することが大切です。

ここでは、がん保険の加入を検討する際に押さえるポイントを解説します。

診断給付金の金額

がん保険を選ぶ際は、診断給付金の金額を確認しておくことが重要です。

悪性リンパ腫のようながんでは、治療が始まる前から検査費用や通院費、仕事を休むことによる収入減など、さまざまな経済的負担が生じる可能性があります。診断給付金は用途が限定されないため、治療費だけでなく生活費や交通費などにも活用できる点が特徴の一つとされています。

ただし、保険商品によっては支払い回数や条件が異なる場合もあります。初回のみ支払われるタイプや、一定期間ごとに複数回受け取れるタイプなどがあるため、保障内容を確認したうえで検討することが大切です。

通院治療への保障

近年のがん治療では、入院だけでなく通院による治療が増えています。そのため、通院治療への保障があるかどうかも確認しておきたいポイントです。

悪性リンパ腫の治療では、抗がん剤治療や経過観察などで長期間通院することがあります。通院回数が増えると、交通費や薬代などの費用が積み重なる可能性もあります。通院給付金がある商品では、所定の条件を満たした通院について、給付対象となる場合があります。

通院保障の条件は保険によって異なり、入院後の通院のみ対象となるタイプや、入院の有無にかかわらず対象となるタイプなどもあるため、給付条件もよく確認しておくことが大切です。

抗がん剤治療への保障

抗がん剤治療への保障があるかどうかも、がん保険を選ぶ際の重要なポイントです。悪性リンパ腫の治療では抗がん剤を使用するケースが多く、治療が長期化する場合もあります。

抗がん剤治療に対する保障には、治療を受けた月ごとに給付金が支払われるタイプや、所定の治療を受けたときに一定額が支払われるタイプなどがあります。こうした保障があると、通院治療が続く場合でも経済的な負担を補いやすいでしょう。

ただし、対象となる治療の範囲や給付条件は商品ごとに異なるため、保障内容を比較しながら、自分の希望に合った保険を検討することが大切です。

保険選びが難しいときは、中立的な相談機関で確認する方法もあります。

悪性リンパ腫はがん保険で保障される場合がある

悪性リンパ腫は多くのがん保険で保障対象とされており、診断給付金や入院給付金、抗がん剤治療給付金などを受け取れる場合があります。ただし、給付金の種類や支払い条件は保険商品によって異なるため、保障内容を事前に確認することが大切です。

公的制度とあわせて備えを検討し、自分の治療や生活状況に合った保障内容を選ぶようにしましょう。がん保険の選び方に迷った場合は、中立的な相談サービスで確認する方法もあります。

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