学資保険

学資保険の一括払いを選択できるケースとは?他の払込方法と比較解説

学資保険の保険料は、全額をまとめて支払う「一括払い」を選択できることがあります。一括払いにすると払込保険料の総額を抑えられる場合がありますが、貯蓄が一時的に減少するため、急な支出への対応が難しくなる可能性がある点に注意が必要です。

本記事では、学資保険の保険料を一括払いにすることでどのような変化があるのか解説します。また、一括払いの注意点や、一括払いを検討できるケースについてもまとめました。学資保険の払込方法で迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

学資保険の払込方法

学資保険の保険料の一般的な払込方法としては、次の種類が挙げられます。

  • 月払い
  • 半年払い・年払い
  • 一括払い(一時払い)
  • 全期前納

それぞれの方法の特徴について見ていきましょう。なお、保険会社によっては払込方法の選択肢が少なく、上記の方法のうちいくつかは選択できない可能性があります。

また、上記とは別の保険会社独自の払込方法が提供されていることもあります。払込方法によって保険料が変わることもあるため、各方法を比較してご自身に合った種類を選択しましょう。

月払い

「月払い」とは、毎月保険料を支払う方法のことです。1回に支払う金額が少ないため、家計への負担は比較的抑えられる傾向があります。ただし、他の払込方法と比べて1ヶ月あたりの保険料は高くなる傾向があり、返戻率は低くなる傾向があります。

なお、返戻率とは、払込保険料総額に対する受け取る保険金の割合です。例えば、月1万円の保険料を18年間払い込むと250万円の保険金を受け取れる学資保険なら、返戻率は以下の計算式より約116%と算出できます。

返戻率(%)=受け取る保険金の総額÷払込保険料総額×100

月1万円の保険料を18年間払い込むと250万円の保険金を受け取れる場合

  • 返戻率(%)=250万円÷(1万円×12ヶ月×18年)×100=115.74……

また、保険料を口座振替で支払う場合は手間がかかりにくい一方、払込票を使ってコンビニエンスストアなどで支払う場合は、都度払いの手間が生じます。

半年払い・年払い

「半年払い」とは半年分の保険料をまとめて支払う方法、「年払い」とは1年分の保険料をまとめて支払う方法です。月払いよりは半年払い、半年払いよりは年払いのほうが1ヶ月あたりの保険料が抑えられる傾向があります。

返戻率を重視する場合、1年分の保険料をまとめて支払う年払いが選択肢の一つとなります。ボーナスの時期に合わせてまとめて支払う場合、半年払いが検討されることもあります。いずれも月払いよりは1回に支払う金額が大きくなるため、家計への影響を踏まえて支払方法を選択することが重要です。

一括払い(一時払い)

「一括払い」とは、保険料をまとめて支払う方法です。保険会社によっては、「一時払い」と呼ぶこともあります。払込期間全体の保険料をまとめて支払うことで、1ヶ月あたりの保険料を抑えられるため、返戻率は高くなる傾向にあります。

学資保険は、「子どもが満18歳になったときに保険料払込が満了し、保険金を受け取る」といった形で保険料の払込期間や保険期間があらかじめ設定されているため、加入前に保険料の総額を算出できる保険です。

1回に支払う金額が高額になりますが、返戻率を重視する場合は、一括払いも選択肢の一つとして検討されます。

全期前納

「全期前納」とは、払込保険料総額に相当するお金を保険会社に預け、預けた金額から月払いや年払いなどの保険料に充当される仕組みです。

一般的に全期前納を選択すると、月払いや年払いよりも割引率が高くなる傾向にありますが、一括払いと比べると割引率が低くなる傾向があります。

まとめて払込保険料を保険会社に払い込む点では、全期前納と一括払いは同じです。しかし、一括払いは「支払う」のに対し、全期前納では「預ける」点が異なります。

途中で解約する場合、一括払いは解約返戻金があれば還付されますが、全期前納では解約返戻金に加え、保険会社にまだ充当されていない保険料に相当する金額が返還されます。途中で解約する可能性がある場合は、全期前納も選択肢の一つとして検討できるでしょう。

学資保険の保険料を一括払いにすることで期待できることとは?

学資保険の保険料を一括払いにすることで、次のことが期待できる場合があります。

  • 払込保険料の総額を抑えられる
  • 返戻率が高くなる

それぞれのポイントについて、他の払込方法と比較しつつ解説します。

払込保険料の総額を抑えられる

一括払いは、他の払込方法よりも保険料の割引率が高い傾向にあるため、1ヶ月あたりの保険料を抑えやすくなる傾向があります。そのため、払込保険料の総額も、他の払込方法と比べて抑えやすい傾向があります。

ただし、払込免除特約が適用される場合は、その限りではありません。払込免除特約とは、契約者が死亡あるいは高度障害状態などの所定の状態になった場合に適用される特約で、以後の保険料の支払いが免除されます。

例えば、本来であれば18年間保険料を払い込む学資保険であっても、加入1年後に払込免除特約が適用される所定の状態になった場合は、保険料の払込は1年間のみとなることがあります。

しかし、一括払いで全額支払っている場合には、払込免除特約は適用されないケースもあり、月払いや年払いよりも保険料の払込総額が高額になる可能性があります。

返戻率が高くなる

一括払いを選択すると1ヶ月あたりの保険料を抑えられるため、返戻率が高くなる傾向があります。返戻率を重視して支払方法を選ぶなら、一括払いも選択肢の一つとなるでしょう。

ただし、払込免除特約が適用される場合はその限りではありません。月払いや年払いでの保険料払込が終了する前に払込免除特約が適用される所定の状態になった場合は、一括払いで支払う保険料が他の支払方法による払込保険料総額よりも高額になる可能性があり、返戻率は低くなる可能性があります。

保険料の払込方法についての疑問は、保険相談機関で相談するのも一つの方法です。

学資保険の保険料を一括払いにする際の注意点

学資保険の保険料の払込方法のなかでは、一括払いは他の払込方法と比べて払込保険料の総額を抑えやすく、返戻率が高くなる傾向があります。保険料総額や返戻率を重視する場合は一括払いも選択肢の一つとなりますが、次の点に注意が必要です。

  • 払込免除特約が適用されない
  • 生命保険料控除が最初の年しか適用されない
  • 貯蓄が一時的に減少する

それぞれの点について解説します。

払込免除特約が適用されない

払込免除特約は、契約者が死亡や高度障害などの保険会社が定める所定の状態になった場合に以後の保険料の払込が免除される特約です。一括払いを選択すると契約の時点で保険料を全額払い込むため、契約者が所定の状態になっても払込免除特約が適用されません。

契約者が契約後すぐに所定の状態になる場合も想定されます。契約者の年齢や健康状態、普段の生活なども考慮し、一括払いを選択するのか慎重に決定しましょう。

生命保険料控除が最初の年しか適用されない

生命保険料控除は、保険料を支払った年に適用される控除制度です。適用されると所得税や住民税を節税できることがあります。

月払いや半年払い、年払いでは、毎年保険料を支払うため、払込期間が満了するまでは毎年生命保険料控除の適用を受けることが可能です。全期前納の場合も、各払込期日に保険料へ充当されるため、払込期間が満了するまでは毎年生命保険料控除の対象となります。

しかし、一括払いでは学資保険に加入した最初の年しか保険料を支払わないため、生命保険料控除も最初の年しか適用されません。学資保険以外の生命保険に加入していない場合や、学資保険で毎年生命保険料控除の適用を受けたい場合は、一括払い以外の支払方法を検討してみましょう。

貯蓄が一時的に減少する

契約によっても異なりますが、学資保険の保険料総額は数百万円程度となる場合もあります。貯蓄が一時的に減少するため、急な支出に備えることが難しくなる可能性もあるでしょう。

例えば、病気やケガで手術や入院が必要になった場合、高額な治療費がかかる可能性があります。働けない期間が長引き、収入が減る可能性もあります。また、車の買い替えなど、まとまった支出が必要になることもあります。

万が一に備えるためにも、学資保険の保険料を支払っても貯蓄がある程度残るように調整することが大切です。貯蓄と保険のバランスについて悩んだときは、中立的な保険相談機関に相談するのも選択肢の一つです。

学資保険の一括払いを検討したいケース

次のケースでは、学資保険の保険料を一括払いで支払うことが検討されることがあります。

  • 貯蓄が十分にある場合
  • 保険料を抑えたい場合

それぞれのケースについて見ていきましょう。

貯蓄が十分にある場合

保険料を一括払いにする場合は、まとまったお金が必要です。また、保険料を支払っても、急な支出に備えられる程度の貯蓄を残しておくことも必要になるでしょう。

学資保険は、10年、18年といった長期にわたって加入する保険です。保険金を受け取るまでに長い年月がかかるため、長期的な視点で資金計画を立てることが必要です。

学資保険の保険料を一括払いにしても貯蓄に十分な余裕があり、急な支出に備えられると判断できる場合であれば、一括払いも選択肢の一つとして考えられます。

保険料を抑えたい場合

保険料を抑えたい場合は、一括払いが選択肢の一つとして考えられます。

払込免除特約が適用される場合は、他の払込方法のほうが保険料総額を抑えられる可能性があります。しかし、契約者の年齢や健康状態などの条件によっては、払込免除特約が適用されず、払込期間が終了するまで保険料を支払うことになる場合もあります。

健康状態などに問題がないなら、一括払いを選択するほうが保険料を抑えられる可能性が高いといえるでしょう。保険についての疑問は、中立的な相談機関で確認する方法もあります。

学資保険の一括払いに関するよくある質問

学資保険の一括払いについて、よくある質問とその答えを紹介します。ぜひ参考にして、疑問を解消してください。

Q.学資保険金を受け取るときは税金が課せられる?

学資保険の保険金は、課税対象となる場合があります。ただし、「保険料を誰が負担し、誰が受け取るか」や、受取方法によって税金の種類や計算方法が異なるため注意が必要です。

学資保険の保険料負担者(契約者)と保険金受取人が同一で、なおかつ保険金を一括で受け取る場合は「一時所得」となります。一時所得の金額は、以下の計算式で求めます。

一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-50万円(特別控除額)

※実際に課税対象となるのは、この一時所得の金額をさらに「2分の1」にした金額です。

例えば、学資保険の保険料として220万円を支払い、保険金を一括で250万円受け取った場合の一時所得の金額は以下のように計算します。

  • 一時所得の金額=250万円-220万円-50万円=▲20万円(0円以下)

上記のとおり、一時所得の金額は0円とみなされ、課税対象とはなりません。

また、学資保険の保険料負担者(契約者)と保険金受取人が同一で、保険金を年金形式で受け取る場合は「雑所得」として扱われます。雑所得の計算式は以下のとおりです。

雑所得の金額=その年に受け取った金額-その収入を得るためにその年に支出した金額

雑所得には一時所得のように特別控除額がないため、1円でも所得がある場合は課税対象となります。ただし、給与所得者の場合、学資保険の受取額を含め給与所得以外の所得合計額が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。

学資保険の保険料負担者(契約者)と受取人が異なるときは、贈与税の対象となることがあります。

贈与額=その年に受け取った金額-110万円(基礎控除額)

受け取った学資金(その年に受けた他の贈与も含む)が1年間に110万円を超える場合は、贈与税の課税対象です。期限内に正しく申告・納付しましょう。

参考:国税庁「No.1490 一時所得」
参考:国税庁「No.1500 雑所得」
参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

Q.祖父母が孫の学資保険を一括払いすることは可能?

学資保険によって契約者の条件が異なります。祖父母が契約者になれる商品であれば、保険料を一括払いにすることも可能な場合があります。

ただし、契約者の年齢や健康状態などにより、学資保険に加入できない可能性もあります。また、保険金受取人を孫に設定すると、学資保険金の金額によっては受取時に贈与税が発生することがあります。

祖父母が加入する際には、加入時の年齢・健康状態や、受け取り時の税負担について慎重な検討が必要です。学資保険の契約者や保険金受取人を誰にするか迷ったときは、相談サービスの利用も選択肢の一つです。

学資保険の保険料の支払い方は慎重に検討することが大切

学資保険の保険料の支払方法にはいくつか種類があります。どの方法を選択するかによって1ヶ月あたりの保険料や返戻率が変わるため、慎重に検討するようにしましょう。

一般的に一括払いは他の払込方法と比べて、1ヶ月あたりの保険料が抑えられる傾向があり、返戻率が高くなる支払方法とされています。しかし、「払込免除特約が適用されない」「生命保険料控除が最初の年しか適用されない」といった注意点もあるため、必ずしも返戻率が高くなるとは限りません。

また、学資保険の受取方法や受取人によって税金が変わるため、慎重に選択することが重要です。保険の一般的な考え方については、中立的な相談機関で確認するのも一つの方法です。専門家に相談することで、ご自身の保険への考え方が整理できることもあります。

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