医療保険

20代にも医療保険は必要?若いうちの保険の選び方について解説

データから見る20代の医療保険の必要性

20代は若く、医療保険の必要性を実感しにくいかもしれません。しかし、発生頻度が低いからといってリスクがないとは限らず、公的保障や自己資金でどこまで対応できるかによっても必要性の捉え方は変わります。

ここでは、公益財団法人 生命保険文化センターの調査データをもとに、20代の入院状況や高額療養費制度の利用経験などを踏まえたうえで、医療保険の必要性について見ていきましょう。

20代の入院経験の有無

公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、20~70代の各世代における過去5年間の入院経験の有無は以下のとおりです。

年代

入院経験あり

入院経験なし

20代

8.4%

91.6%

30代

11.2%

88.4%

40代

10.0%

90.0%

50代

15.4%

84.5%

60代

20.9%

79.0%

70代

28.3%

71.6%

※「わからない」と回答した人を除く

年代別に入院経験の割合を見ると、20代は他の年代と比較して低い水準にあることがわかります。

この数値から、20代は入院をともなう大きな病気やケガを経験する可能性が相対的に低い世代といえるでしょう。一方で、約1割の人は実際に入院を経験しており、発生頻度は高くないものの、一定数の人は医療費や生活への影響を受けるケースがあると考えられます。

20代における医療保険の必要性は、「入院リスクが低いから不要」と単純に判断するのではなく、万一の入院時に公的保障や貯蓄で対応できるかどうかを踏まえて整理することが大切です。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

20代の入院日数

20代は、比較的短期間で退院するケースが多い傾向があります。生命保険文化センターの調査では、直近の入院日数について以下のような分布となっています。

入院日数

割合

5日未満

46.4%

5〜7日

17.9%

8〜14日

28.6%

15〜30日

3.6%

31〜60日

3.6%

61日以上

0.0%

5日未満が約半数を占めており、20代では短期間の入院が中心であることがわかります。一方で、8〜14日程度の入院も一定割合で見られ、1週間~2週間程度の療養が必要となるケースもあります。

平均入院日数は8.1日であり、他の年代と比較すると短い水準です。ただし、入院期間が短い場合であっても、医療費の自己負担や仕事を休むことによる収入への影響が生じる場合があります。

短期間の入院であっても、経済的な影響も踏まえて備え方を検討する視点が重要といえるでしょう。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

20代の入院時の高額療養費制度の利用経験

20代の入院時には、高額療養費制度が一定程度利用されている実態があります。生命保険文化センターの調査によると、直近の入院における利用状況は以下のとおりです。

区分

割合

高額療養費制度を利用した

63.2%
(そのうち現物給付52.6%、現金給付10.5%)

利用しなかった

31.6%

申請中・申請予定

0.0%

わからない

5.3%

制度を利用した方の内訳は、「現物給付(限度額適用認定証などを利用)」が52.6%、「現金給付(いったん自己負担後に払い戻し)」が10.5%です。このことから、医療費の自己負担を抑える仕組みが実際に活用されていることがわかります。

高額療養費制度は、医療機関での支払いが一定額を超えた場合に自己負担額を軽減できる公的制度であり、年収に応じて上限額が設定されています。

この制度は医療費の自己負担を軽減するものであり、差額ベッド代や先進医療の技術料などは対象外となる場合があります。こうした費用をどのように補うかによって、医療保険の必要性の考え方が変わるといえるでしょう。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

20代の入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段

20代が入院した際の自己負担費用や収入減への対応手段としては、生命保険や家族の支援が一定の割合を占めています。生命保険文化センターの調査では、主な充当手段は以下のようになっています。

充当手段

割合

生命保険

47.4%

家族の収入

42.1%

預貯金

21.1%

企業の見舞金・休業補償

5.3%

損害保険

0.0%

有価証券

0.0%

※複数回答可

生命保険が最も多く、約半数の方が医療保険などで費用を補っていることがわかります。また、家族の収入に頼るケースも4割以上であり、特に実家暮らしなどでは家計全体で支える傾向もあるといえるでしょう。

一方で、預貯金を充当手段として挙げた割合は2割程度であり、生命保険や家族の支援と比べると低い水準にあります。

このように、入院時の費用や収入減への対応は複数の手段に分かれており、どの方法で備えるかは個々の状況によって異なります。公的制度に加え、貯蓄や保険、家族の支援などをどのように組み合わせるかが、医療保険の必要性を考えるうえでの一つの判断軸となります。

20代の入院リスクや費用負担の実態を見ても、備え方は一人ひとり異なることがわかります。公的保障でどこまで対応できるのか、貯蓄と保険のバランスをどのように考えるか迷う場合は、保険に関する相談窓口を活用する方法もあります。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

20代の医療保険の加入率

生命保険文化センターの調査によると、20代における疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入状況は、以下のとおりです。

区分

加入率

男性

42.5%

女性

38.2%

20代でも、4割前後の方が入院に備える保障を用意している状況にあります。

一方で、半数以上はこうした保障に加入していないことから、20代では備え方に違いが見られます。公的保障や貯蓄で対応するのか、保険を活用するのかは、個々の収入状況や生活環境によって判断が分かれるといえるでしょう。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」

20代で医療保険に加入する良い点・注意点

20代で医療保険に加入するかどうかは、病気やケガのリスクの大きさだけでなく、収入や貯蓄、公的保障の内容などを踏まえて総合的に考える必要があります。

若い世代は健康な方が多い一方で、将来のライフイベントや働き方の変化によって備えの考え方が変わることもあるでしょう。

そのため、医療保険への加入を検討する際には、どのような点が参考になるのか、またどのような点に注意する必要があるのかを整理しておくことが重要です。

ここでは、20代で医療保険に加入する場合に考えられる良い点と注意点について、それぞれの側面から解説します。

良い点

20代で医療保険に加入する場合、年齢が若いことから保険料水準が比較的低く設定されるケースが多く、長期的な契約を前提とした設計をしやすい点が特徴の一つといえます。

将来的に健康状態が変化した場合、新たに保険へ加入する際に制限が生じることもありますが、健康な若いうちに契約することで、保険の選択肢の幅を広く持てることも良い点といえるでしょう。

注意点

20代は中年期以降と比較すると、入院受療率が相対的に低い傾向があります。実際に給付を受ける機会が少ないことから、医療保険の必要性を実感できないケースもあるかもしれません。

一般的に収入が高くない20代では、家計の中で保険料が固定費として重く感じられるケースもあります。貯蓄や自己投資に回せる資金を圧迫するリスクもあるため、保障額やプランを慎重に選ぶことが大切です。

医療保険に対する考え方や、保険料をどの程度負担できるかには個人差があります。自身にとってどの程度の備えが適しているのか判断に迷う場合は、複数の選択肢を踏まえて検討できる相談サービスを活用するのも選択肢の一つです。

20代が医療保険を選ぶ際に確認したいポイント

20代で医療保険を検討する際には、必要性の有無だけでなく、どのような基準で商品を選ぶかも重要な視点となります。医療保険は保障期間や保険料、保障内容などによって仕組みが大きく異なり、選び方によって将来の負担や備え方にも影響が及ぶことがあるためです。

自身のライフプランや収入状況を踏まえながら、複数の要素を考慮したうえで検討することが重要です。

ここでは、20代が医療保険を選ぶ際に確認しておきたい主なポイントについて解説します。

保障期間

医療保険の保障期間には、一定期間のみを保障する「定期型」と、一生涯にわたって保障が続く「終身型」があります。それぞれ特徴が異なるため、将来のライフプランを踏まえて選択することが重要になります。

定期型は10年・20年など期間が区切られており、更新を前提とした設計となるケースが一般的です。一方で、終身型は加入時の条件のまま保障が継続するため、長期的な備えとして利用される場合があります。

20代では、結婚や出産、転職など今後のライフステージの変化が見込まれるため、将来的な見直しのしやすさも含めて検討することが大切です。現時点の必要性だけでなく、今後どのような保障が必要になる可能性があるかを踏まえて、保障期間を考えることが大切です。

保険料・払込期間

年齢が若い20代は、同じ保障内容でも保険料が低く設定される傾向があります。その分払込期間が長期に及び、生涯払込総額は大きくなる可能性がある点には注意が必要です。

医療保険を検討する際には、月々の保険料だけでなく、どの程度の期間支払いが続くかも重要な確認ポイントです。

払込期間には、一生涯にわたって支払う「終身払い」と、10年・20年、あるいは60歳・65歳までなど一定の期間や年齢で支払いを終える「短期払い」があります。

終身払いは月々の負担を抑えやすい一方で、長期間にわたり支払いが続いた場合、総支払額が大きくなる可能性があります。短期払いは月々の負担が重くなる傾向がありますが、現役世代のうちに支払いを終えて、老後の固定費を減らしやすい設計とすることも可能です。

20代の場合、払込期間が長くなりやすいため、将来の収入やライフイベントも見据えながら、無理のない支払い計画となるかを確認することが重要になってくるでしょう。

保障内容

医療保険では、入院給付金日額や手術給付金の有無・水準、通院保障の有無など、保障内容の構成が商品ごとに異なります。そのため、どの範囲まで備えたいのか、何を優先するのかを整理したうえで選択することが重要です。

例えば、先進医療や自由診療の選択肢を広く持てるようにしておきたいのか、それとも通院保障をできるだけ手厚くしたいのかなどによって、必要となる保障内容は変わります。公的保障や貯蓄とのバランスを踏まえながら、過不足のない設計を検討する視点が求められます。

特約の選択肢

医療保険では、主契約に加えてさまざまな特約を付加できる場合があります。代表的なものとしては、三大疾病特約や女性疾病特約、先進医療特約などが挙げられます。

特約を付加することで保障を拡充することができますが、その分保険料が増加する場合もあります。自身のリスクや必要性を踏まえ、選択することが重要です。

特に20代では、将来的な見直しも視野に入れながら、現時点で必要と考えられる保障に絞って設計するケースも見られます。

保障期間や払込方法、保障内容の違いは、将来の負担や備え方に影響します。どのような条件が自分に合うのか整理が難しい場合は、相談窓口で比較しながら確認する方法もあります。

20代における医療保険選びのコツ

20代で医療保険を検討する際には、商品ごとの違いを比較するだけでなく、自身の生活状況や将来の見通しを踏まえて考えることが重要です。必要な備えは一人ひとり異なり、家族構成や働き方、ライフイベントの予定などによっても判断の基準が変わるためです。

ここでは、20代における医療保険選びの考え方として、特に押さえておきたいポイントを解説します。自身の状況に照らし合わせながら、どのような備え方が考えられるかを確認していきましょう。

子どもがいる場合は加入を積極的に検討する

20代であってもすでに子どもがいる場合には、親が入院や療養によって働けなくなった際の家計への影響を考慮する必要があります。収入が一時的に減少した場合でも生活費や養育費は継続して発生するため、独身時代とは異なる視点で備え方を考えることがあります。

特に、片働き世帯や共働きでも預貯金が十分でない場合には、入院時の自己負担費用や収入減をカバーできる保障を用意しておくことで、家族の生活を守ることにつながる可能性があります。

働き方によっては収入への影響も考慮する

入院や療養による収入への影響の大きさは、働き方によって異なる部分もあります。会社員や公務員の場合は傷病手当金などの制度が利用できるケースがありますが、すべての働き方に適用されるわけではありません。

例えば、自営業やフリーランス、アルバイトなどでは、公的保障が限定的となる場合もあります。そのため、医療費に加えて働けない期間の生活費をどのように確保するかを検討することが重要です。

場合によっては、医療保険だけでなく就業不能保険とセットで加入するといった方法が検討されることもあります。

女性は特有のリスクも考慮する

20〜30代の女性の場合、妊娠や出産に関連する入院や手術が発生する可能性や、女性特有のがんなどのリスクについても考慮することが望ましいでしょう。

医療保険の中には、女性疾病特約や妊娠・出産にともなう異常分娩への保障など、女性特有のリスクに対応した内容が用意されている商品もあります。こうした保障を含めて検討することで、自身のライフステージに即した備えをしやすくなるでしょう。

家族構成や働き方、将来の見通しによって必要な備えは変わります。自身の状況に合った考え方を確認したい場合は、中立的な立場の相談サービスを利用するのも一つの方法です。

20代のうちに医療保険への加入を検討しよう

若く健康なうちは、医療保険の必要性を実感しにくいケースもあるかもしれません。しかし、病気やケガによる入院・療養は誰にでも起こり得るものであり、そのための何らかの備えを検討することが大切です。

高額療養費制度などにより医療費の自己負担は一定程度抑えられる仕組みもありますが、差額ベッド代や収入減などは別途対応が求められるケースもあります。こうした点を踏まえ、保険で備えるのか、貯蓄で対応するのかは、それぞれの状況によって考え方が分かれます。

医療保険は20代のような若いうちに加入しておくと保険料が比較的低く設定され、商品の選択肢も豊富にあるケースが多く、将来的な視点から見ても、加入を検討する余地はあるといえるでしょう。

医療保険を検討する際には、保障内容や保険料だけでなく、将来のライフプランや働き方の変化も見据えながら、自身に合った備えを検討することが大切です。判断に迷う場合は、専門家に相談できる窓口を活用し、考え方を確認するのも一つの手段でしょう。

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