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睡眠時無呼吸症候群で生命保険は支払われる?給付金が支払われるケースを紹介

睡眠時無呼吸症候群と診断され、入院や手術が必要になった場合は、生命保険の入院給付金や手術給付金などが支払われる場合があります。しかし、診断はされたものの治療不要と判断された場合や、外来治療のみ受ける場合などは、給付金が支払われないケースもあるため注意が必要です。

本記事では、睡眠時無呼吸症候群で給付金や保険金が支払われるケース・支払われないケースについて解説します。また、睡眠時無呼吸症候群と診断された方が生命保険に加入しにくくなるケースについても紹介します。

睡眠時無呼吸症候群で生命保険は支払われる?

医療保険に加入している場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されて治療を受けた際に、給付金が支払われる場合があります。しかし、必ずしも給付金が支払われるわけではないため、支払われるケース・支払われないケースを知っておくことが大切です。

また、給付金が支払われるかどうかは、医療保険の保障内容によっても異なります。例えば、多くの医療保険では、入院や手術に対しては給付金が支払われますが、通院治療については保障対象外となっていることも少なくありません。加入中の医療保険の保障内容をあらためて見直しておきましょう。

医療保険への加入を検討している方や、保険の見直しが必要と感じている方は、中立的な機関で相談してみるのも一つの方法です。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に無呼吸や低呼吸(呼吸が浅い状態)が頻繁に起こる病気です。

睡眠検査を実施し、1時間あたりの無呼吸数と低呼吸数の合計(無呼吸低呼吸指数)が5以上で、かつ日中の眠気などの症状をともなう場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群の睡眠サイクル

  1. 眠る
  2. 呼吸が止まる・浅くなる
  3. 血液中の酸素濃度が低下する
  4. 目が覚める

睡眠時無呼吸症候群になると、上記の睡眠サイクルを一晩中繰り返すため、睡眠が浅くなります。疲れがとれにくくなるばかりか、日中に強い眠気を感じることもあります。

睡眠中に何度も酸素濃度が低下すると、心臓への負担が大きくなり、高血圧につながる場合があります。また、酸素濃度の低下により動脈硬化も進み、脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすくなることも、睡眠時無呼吸症候群の特徴の一つとされています。

参考:厚生労働省「睡眠時無呼吸症候群 / SAS」

睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠時無呼吸症候群の主な症状としては、以下が挙げられます。

  • いびき
  • 起床時の頭痛
  • 日中の眠気
  • 夜間の頻尿

家族にいびきを指摘されたときや、睡眠時間は十分なはずなのに日中にだるさや眠気を感じるときは、睡眠中に無呼吸や低呼吸が生じている可能性があります。気になる症状がある場合は、医療機関を受診して医師に相談することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こすリスク

睡眠時無呼吸症候群には、次のようなリスクがあります。

  • 睡眠の質の低下
  • 高血圧
  • 血糖値やコレステロール値の上昇
  • 動脈硬化の進行
  • 心筋梗塞や脳卒中への罹患リスクの増大

日中に眠気が起こると、事故や転倒などを招くおそれがあります。例えば、運転中に急激な眠気に襲われ、事故を引き起こすかもしれません。また、集中力の低下により、仕事や家事にも影響が生じる可能性もあるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群で生命保険が支払われるケース

医療保険に加入しているなら、次のケースでは給付金が支払われる可能性があります。

  • 治療のために入院・手術が必要な場合
  • 検査入院により治療が必要と判断された場合

保険が支払われるかどうかの基準は、保険会社によって異なります。給付金・保険金を請求する際には、手続きをする前に保険会社に確認しておくことが大切です。

治療のために入院・手術が必要な場合

医療保険の基本保障は、入院時に給付金が支払われる「入院保障」と手術を受けたときに給付金が支払われる「手術保障」などが中心です。そのため、医療保険の被保険者であれば、保険会社の条件を満たす入院・手術に対して給付金が支払われる場合があります。

睡眠時無呼吸症候群と診断され、治療を目的とした入院・手術をした場合は、入院給付金や手術給付金を受け取れる可能性があります。対象となる入院・手術は保険会社によって異なるため、約款やカスタマーセンターなどで確認しておきましょう。

検査入院により治療が必要と判断された場合

多くの医療保険では入院や手術は保障対象となりますが、検査に関しては保障が適用されないことが一般的です。そのため、たとえ入院をともなう場合であっても、検査を目的とする場合には保障対象外となる可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、診断を確定するために検査入院が必要になることがあります。本来であれば、検査のみを目的とした入院は保障対象外となることが一般的ですが、検査入院中にCPAP療法の導入など治療が開始された場合は、入院給付金を受け取れる可能性があるでしょう。

入院中に治療が行われたかどうかは、担当医師に確認してみてください。治療を受けた場合は、保険会社に治療内容が保障対象であることを確認したうえで、入院給付金の請求手続きに進みましょう。

また、検査入院時に睡眠時無呼吸症候群の治療を目的とした気道確保などの緊急手術が必要になるケースもあります。その場合は、手術給付金の請求ができる可能性があるため、保険会社に手術内容が保障対象かどうか問い合わせてみましょう。

睡眠時無呼吸症候群で生命保険が支払われないケース

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合でも、次のケースでは医療保険の給付対象とならない可能性があります。

  • 外来治療のみの場合
  • 診断はされたものの治療不要と判断された場合
  • 保障対象外の手術を受けた場合
  • 告知義務違反をしていた場合

それぞれのケースについて解説します。ただし、給付金が支払われる基準は保険会社によって異なるため、個々のケースごとに確認が必要です。

外来治療のみの場合

医療保険は、入院や手術の際に所定の給付金が支払われる保険です。そのため、睡眠時無呼吸症候群の治療が外来で完結し、入院や手術の必要がない場合は、給付金の支払い対象とならないことが一般的です。

保険会社によっては、通院治療時に給付金が支払われる「通院保障」を提供していることがあります。

加入中の医療保険の基本保障に「通院保障」が含まれている場合や、オプションとして「通院保障」が提供されており、なおかつ通院保障オプションを付加している場合は、外来治療だけを受ける場合でも給付金が支払われる可能性があります。

診断はされたものの治療不要と判断された場合

検査入院を実施したものの、睡眠時無呼吸症候群と診断されなかった場合は、治療を直接の目的とする入院には該当しません。その場合、入院ではなく検査の扱いになり、入院給付金の支払い対象とはならない可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群と診断されても、検査入院により治療不要と判断された場合も、入院ではなく検査の扱いになることが一般的です。その場合も、入院給付金の支払い対象外となる可能性があります。

保障対象外の手術を受けた場合

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、口蓋扁桃摘出術などの治療を目的とした手術を受けることがあります。

しかし、治療を目的とした手術であっても、保険会社ごとに保障対象となる手術が異なるため、加入中の医療保険が当該手術を保障対象外としている場合には給付金や保険金が支払われないことが一般的です。

保障対象となるか確認したい場合は、手術名が判明した時点で保険会社に問い合わせてみましょう。給付金の対象かどうかや、対象となる場合の手続き方法などを確認することができます。

告知義務違反をしていた場合

医療保険を含む生命保険に加入する際には、「告知」が求められます。告知とは、健康状態や病歴、健康診断結果などについて、保険会社の質問に回答することです。告知内容が正確でない場合は「告知義務違反」とみなされる可能性があります。

告知義務違反をしていた場合、本来であれば保険請求が可能な状況でも、給付金・保険金を受け取れない可能性があります。ご自身にとって不利と思われる情報であっても、正確に告知することが大切です。

医療保険などの生命保険について悩んだときは、相談窓口を利用しながら検討することもできます。

睡眠時無呼吸症候群で生命保険への加入が難しくなる可能性があるケース

睡眠時無呼吸症候群と診断されている方や治療中の方も、医療保険やがん保険などの生命保険への加入を検討できます。しかし、以下のいずれかのケースに該当する場合は、生命保険への加入が難しくなる可能性があります。

  • 重度と診断されている場合
  • 治療歴が短い場合
  • 診断を受けたものの治療をしていない場合
  • 検査入院以外の入院をした場合

ただし、加入できるかどうかの最終的な判断は、保険会社が実施します。上記のケースに該当しても、生命保険に加入できる可能性もあります。

加入の可否については、加入を検討している保険会社に直接問い合わせてみましょう。

重度と診断されている場合

中枢性睡眠時無呼吸症候群と診断された場合や、無呼吸低呼吸指数により重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、医療保険や終身保険などの生命保険への加入が難しくなることがあります。

【睡眠時無呼吸症候群の重症度の目安】

重症度

診断基準

軽症

日中の眠気や口内の乾き、集中力の低下などの自覚症状があり、無呼吸低呼吸指数が5以上15未満

中等症

上記の自覚症状があり、無呼吸低呼吸指数が15以上30未満

重症

上記の自覚症状があり、無呼吸低呼吸指数が30以上

※他の検査の結果などによっては、上記の目安が当てはまらないケースもあります。

また、生命保険に加入できる場合でも、特定部位の治療については保障対象外になったり、保険が適用されない免責期間が設けられたりといった「条件付き契約」になる可能性もあります。加入する前に契約内容を細部まで確認することが大切です。

参考:一般社団法人 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)」

治療歴が短い場合

睡眠時無呼吸症候群の診断を受けて治療を開始したものの、あまり時間が経過せず、病状も安定していない場合も、生命保険への加入が難しくなることや条件付きでの加入となることがあります。

希望する生命保険への加入が難しい場合は、しばらく治療を続けて病状が安定してから再度申し込みを検討できる場合があります。

生命保険に加入できるかどうかは、被保険者の年齢も重要な要素です。睡眠時無呼吸症候群は脳卒中や心筋梗塞を引き起こすこともあるため、高齢になるほど入院や手術が必要になる可能性が高いと判断される傾向にあり、保険加入が難しくなることがあります。

診断を受けたものの治療をしていない場合

睡眠時無呼吸症候群の診断を受け、医師から治療を勧められているものの、まだ治療を開始していない場合もあるでしょう。そのようなケースでは、将来的に睡眠時無呼吸症候群の状態が悪化する可能性があると考えられるため、生命保険の加入が難しくなることがあります。

保険に加入するタイミングを考えるうえでも、医師から治療が必要と判断されたときは前向きに検討することが重要です。また、早期に治療を開始することは、健康を管理するうえでも重要であるとされています。

検査入院以外の入院をした場合

生命保険に加入する際には、過去数年間の入院歴について問われることがあります。睡眠時無呼吸症候群などの診断を目的とした検査入院であれば、入院ではなく検査と判断されることが一般的なため、保険加入に影響を及ぼすことは比較的少ないと考えられます。

検査入院以外の入院をした場合は、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けている可能性や、それ以外の持病がある可能性が想定されます。入院の目的にもよりますが、生命保険への加入が難しくなるケースもあります。

生命保険にはさまざまな種類があり、保障内容も多様です。どのような保障が必要かは、ライフステージや家族構成、働き方などによっても変わります。

どの保険に加入するか迷ったときは、中立的な相談機関を利用してみるのも一つの方法です。

保険加入できないときに検討したい生命保険

睡眠時無呼吸症候群の診断を受けた場合や治療を受けている場合は、生命保険への加入が難しくなることがあります。

希望する生命保険に加入できない場合は、別の保険会社の保険に申し込むのも一つの方法です。保険会社によって判断基準が異なるため、別の保険会社なら加入できる可能性があります。

別の保険会社でも加入できない場合や、条件付き契約になり、希望するような保障を得られない場合は、次の生命保険を検討する方法もあります。

  • 引受基準緩和型保険
  • 無選択型保険

一般的な生命保険と比べると、いずれも加入しやすい傾向があります。それぞれの保険の特徴について解説します。

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、一般的な生命保険よりも告知項目が少ない保険のことです。限定告知型保険と呼ばれることもあります。保険会社や保険の種類によっても異なりますが、加入前の診査で次のような告知を求められることがあります。

  • 最近3ヶ月以内に医師から入院や手術を勧められたことがある
  • 過去2年以内に入院をした、あるいは手術を受けた
  • 5年以内にがんや統合失調症などの特定の病気に罹患したことがある

通常は、一つでも該当する項目があると保険加入が難しくなります。そのため、告知項目が多ければ多いほど、該当する可能性が高まり、保険加入のハードルは高くなるでしょう。

しかし、引受基準緩和型保険なら告知項目が少ないため、睡眠時無呼吸症候群の診断を受けた方や治療中の方でも加入を検討しやすい傾向があります。また、条件付き契約になる可能性についても、商品や契約条件によって異なる場合があります。

無選択型保険

無選択型保険とは、告知不要で加入できる保険です。治療中の病気や入院・手術歴について問われないことが多いため、睡眠時無呼吸症候群と診断された方や治療中の方も加入を検討できる場合があります。

しかし、無選択型保険は加入のハードルが低い分、保障が限定される可能性があります。また、引受基準緩和型保険と同様、一般的な生命保険よりも保険料が高い傾向にある点にも注意が必要です。

「どのような保障が必要だろうか」「自分に合う保険をどのように見つければよいのだろうか」といった保険関連のお悩みは、相談サービスの利用も選択肢の一つです。

睡眠時無呼吸症候群の保険適用条件を確認しておこう

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。動脈硬化を進行させ、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの罹患リスクを高めることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。

睡眠時無呼吸症候群は、成人男性の約3~7%、成人女性の約2~5%にみられるともいわれる病気です。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に備えて、加入中あるいはこれから加入する保険が適用されるかどうか確認しておくことが大切です。

保険についてのお悩みは、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。