定期保険

逓減定期保険とは?良い点や終身保険・収入保障保険との違いを解説

逓減定期保険とはどんな保険か

逓減定期保険とは、終身保険のように一生涯の保障が続くタイプとは異なり、特定の期間に必要となる死亡保障を準備することを目的としている定期保険の一種です。

一定の保険期間の中で、時間の経過に伴って死亡保険金額が段階的に減少していく仕組みを持つのが特徴の一つで、満期保険金や解約返戻金がほとんどない掛け捨て型の商品が一般的です。

必要保障額の変化に合わせて保障額も減少していく仕組みで、一定期間の死亡保障を確保する方法の一つとして利用されることがあります。

逓減定期保険は、保険期間中を通じて死亡保険金額が一定に設定される平準定期保険よりも保険料水準を抑えながら、必要期間の死亡保障を確保しやすい商品といえるでしょう。

逓減定期保険の良い点

逓減定期保険には、保障額が時間の経過とともに減少するという特徴があります。一般的な定期保険とは保障設計の考え方が異なるため、保険料水準や保障の設計方法などの面で違いが見られます。

ここでは、逓減定期保険の代表的な良い点について見ていきましょう。

保険料を抑えやすい傾向にある

逓減定期保険は、保険期間の経過とともに死亡保険金額が段階的に減少する仕組みです。保険期間中に支払われる可能性のある保険金の総額は、保険金額が一定の定期保険より小さくなる場合があります。

そのため、同じ初期保険金額で比較した場合、積立機能を持つケースが多い終身保険だけでなく、平準定期保険より保険料水準が低くなる傾向があります。解約返戻金や満期保険金がほとんどない掛け捨て型の商品が一般的であることも、保険料構造に影響する要素の一つとされています。

保険料水準を抑えつつ大きな死亡保障を準備できるため、コストを重視しながら死亡保障を確保したい場合に、選択肢の一つとして検討されることがあります。

ライフステージの変化に合わせやすい

家庭の状況は、時間の経過とともに変化します。例えば、子どもの成長や住宅ローン残高の減少などにより、万一の際に必要となる生活費や返済資金は徐々に少なくなるケースもあるでしょう。

逓減定期保険は、こうした必要保障額の変化を想定して設計された保険という側面もあります。保険期間の経過に合わせて死亡保険金額が段階的に減少する仕組みであり、必要保障額の逓減に近い形で保障を準備できる場合があるためです。

こうした特徴から、逓減定期保険はライフステージに合わせた合理的な保障設計を行いやすい保険の一つといえるでしょう。

保険金は一括で受け取れる

逓減定期保険の死亡保険金は、一時金としてまとめて受け取るのが一般的です。遺族がまとまった資金を受け取ることができるため、住宅ローンの返済や当面の生活費など、必要な用途に応じて資金を活用できる場合があります。

同じ定期保険の一種である収入保障保険では、保険金を月々の年金形式で分割して受け取る仕組みが一般的です。そのため、まとまった資金を必要とするニーズには対応しにくい場合もあります。その点、逓減定期保険は一括受取が基本であり、柔軟に資金を活用しやすいでしょう。

必要な保障額や保障期間は、家庭の状況によって大きく異なります。自身の状況に合った保障の考え方をしたい場合には、専門家に相談しながら検討するのも選択肢の一つです。

逓減定期保険の注意点

逓減定期保険は一定期間の死亡保障を準備する方法の一つですが、保障の仕組みや契約内容にはあらかじめ理解しておきたいポイントがあります。

保険金額の変化や保険期間の設定など、一般的な定期保険とは異なる部分もあるため、契約前に特徴を確認しておくことが重要です。

ここでは、逓減定期保険を検討する際に知っておきたい主な注意点について解説します。

原則として解約返戻金は支払われない

逓減定期保険は、掛け捨て型の定期保険として設計されている商品が一般的です。そのため、保険期間の途中で解約した場合でも解約返戻金が支払われない、またはごく少額にとどまるケースがあります。

また、保険期間満了時に満期保険金が支払われる仕組みではないことも、特徴の一つとされています。終身保険のように解約返戻金が積み上がるタイプの保険とは性質が異なり、原則として貯蓄や資産形成を目的とした商品ではありません。

このような仕組みから、逓減定期保険は将来の資金準備というよりも、一定期間の死亡保障を確保することを目的とした保険として位置付けられることがあります。

多くの場合更新はない

一般的な更新型の定期保険とは異なり、逓減定期保険には保険期間満了後に同じ契約内容で更新できる仕組みが基本的にありません。契約時に設定した保険期間が終了するとその時点で保障も終了し、更新して延長することはできないのが一般的です。

保障を継続したい場合には、新たに別の保険へ加入する必要が生じます。その時点の年齢や健康状態によっては、加入条件が変わる可能性もあるため、将来の保障設計を考える際には、こうした点も考慮しておくことが大切です。

契約時には、どの程度の期間まで死亡保障が必要なのかを整理し、必要な保障期間に合わせて保険期間を設定することが重要といえるでしょう。

保険期間の経過とともに保険金の金額が減少する

逓減定期保険は、契約当初をピークとして保険期間の経過に合わせて死亡保険金額が段階的に減少していく保険です。同じ契約であっても、万一の事態が発生したタイミングによって受け取れる保険金額が異なる点には注意が必要です。

加入直後であれば比較的大きな保障額が設定されている一方、保険期間の後半になるにつれて保障額は小さくなります。契約前には保険金額がどのようなペースで減少していくのかを確認し、将来の生活設計と照らし合わせながら保障内容を検討する必要があります。

逓減定期保険を検討する際には、保障額の減り方や保険期間など、商品設計の特徴を理解しておくことが重要です。特に、逓減率や保障期間は商品ごとに異なるため、自身の生活設計に合っているかどうかを確認しておきましょう。

保険商品は種類が多く、保障内容の違いが分かりにくいと感じることもあるかもしれません。そのような場合には、ファイナンシャルプランナーに相談しながら保障の考え方を確認する方法もあります。

逓減定期保険と終身保険・収入保障保険は何が違う?

生命保険にはさまざまな種類があり、保障期間や保険金の受け取り方、貯蓄性の有無などによって特徴が異なります。

逓減定期保険は死亡保障額が時間の経過とともに減少する仕組みを持つ定期保険ですが、終身保険や収入保障保険とは保障内容や設計の考え方に違いがあります。

ここでは、それぞれの主な特徴を比較しながら確認していきましょう。

逓減定期保険

終身保険

収入保障保険

保障期間

一定期間

終身

一定期間

保険金額の推移

時間の経過とともに減少

原則一定

時間の経過とともに減少

保険金の受け取り方法

一括受取が一般的

一括受取が一般的

年金形式(分割受取)が一般的

貯蓄性

ほとんどない

あるのが一般的

基本的にない

保険料水準

定期保険の中では低くなる場合がある

定期保険より高くなる傾向

定期保険の一種のため比較的抑えられる場合がある

終身保険は、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって死亡保障が続く生命保険です。保険金額は原則として一定であり、解約返戻金が積み上がる仕組みを持つ商品も多く見られます。

このような特徴から、死亡保障だけでなく長期的な資金準備や相続対策の一環として利用されることも少なくありません。一方で、定期保険と比べると保険料水準は高くなる傾向があります。

収入保障保険は、被保険者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金を年金形式で継続的に受け取る仕組みを持つ定期保険の一種です。商品によっては一括受取を選択できる場合もありますが、基本的には毎月または毎年一定額を受け取る形で保障が設計されています。

万一の事態がいつ発生したかによって年金の受取回数が変わるため、受取総額は保険期間の初期ほど大きく、時間の経過とともに小さくなる仕組みとなっています。そのため、逓減定期保険と似ているとされることもあるでしょう。

ただし、収入保障保険が年金形式の保険金受取を基本とし、主に家計の収入を補う目的で利用されるのに対し、逓減定期保険は一括で保険金を受け取る設計が一般的という違いがあります。

このように、逓減定期保険と終身保険・収入保障保険では、保障期間や保険金の受け取り方、貯蓄性などの点で特徴が異なります。死亡保障を準備する際には、それぞれの仕組みを理解したうえで比較して検討することが重要です。

「保険の種類や仕組みを自分だけで理解するのが難しい」と感じることもあるでしょう。そのような場合には、中立的な相談機関で確認する方法もあります。

逓減定期保険が向いているケース

逓減定期保険は、時間の経過とともに保障額が小さくなる仕組みを持つ定期保険です。ライフスタイルや保障の考え方によっては、逓減定期保険が選択肢の一つとして検討されることがあります。

ここでは、どのようなケースで逓減定期保険が選択肢となるのかを見ていきましょう。

できるだけ保険料を抑えたい

死亡保障を準備する際には、保障内容だけでなく保険料とのバランスも重要な検討ポイントになることがあります。

逓減定期保険は、保険期間の経過とともに保険金額が減少する仕組みであるため、保険期間中に支払われる可能性のある保険金総額は、終身保険や平準定期保険より小さくなる傾向があります。

原則として掛け捨て型であるため、貯蓄性よりもコストパフォーマンスを重視し、限られた予算の中で大きな死亡保障を確保したい場合、逓減定期保険は選択肢の一つになるでしょう。

保障が必要な期間がはっきりしている

死亡保障が必要となる期間がある程度明確な場合には、その期間に合わせて保障を設計するという考え方もあります。例えば「子どもが独立するまで」や「住宅ローンの完済まで」など、一定の期間において死亡保障が必要になるケースです。

逓減定期保険は、時間の経過とともに必要保障額が小さくなることを想定した設計です。そのため、保障が必要な期間が明確な場合には、逓減定期保険は過不足のない合理的な保障を期間限定で準備できるという考え方もできるでしょう。

生命保険を検討する際には、必要な保障額や保障期間を具体的に想定することが重要です。家族構成や住宅ローンの有無、将来の教育費などによって、必要となる死亡保障の考え方は大きく変わります。

家計や将来の支出を整理しながら、生命保険を含めたお金の計画について考えたい場合は、相談窓口を利用しながら検討することもできます。

逓減定期保険について気をつけたいポイント

逓減定期保険は、必ずしもすべてのケースに適した保険ではありません。一般的な定期保険や終身保険との違いを理解したうえで検討することが重要です。逓減定期保険を検討する際には、以下の点を押さえておきましょう。

  • 逓減率を把握しておく必要がある
  • 基本的に掛け捨てである
  • 一生涯にわたる保障ではない

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

逓減率を把握しておく必要がある

逓減定期保険では、保険期間の経過とともに死亡保険金額が段階的に減少します。どのようなペースで保障額が減少するかは商品ごとに異なるため、契約前に逓減の仕組みを確認しておくことが重要です。

例えば、毎年一定割合で保険金額が減少する設計の商品もあれば、数年ごとに段階的に減少する仕組みを採用している商品もあります。保障額の減少の仕方によっては、想定していたより早い時期に保障額が小さくなる可能性もあるでしょう。

逓減定期保険には、時間の経過とともに必要な保障額が小さくなるという特性があります。そのため、実際の家計状況や将来の支出予定と合っているかどうかを確認することも大切です。

契約前に逓減率や最低保障額を具体的な金額で確認し、万一の事態がどのタイミングで起きた場合にいくら受け取れるのかをイメージしておくことが重要です。

基本的に掛け捨てである

逓減定期保険は定期保険の一種であり、一般的には貯蓄性を目的とした商品ではありません。

多くの場合、保険期間中の死亡保障を確保することを主な目的とした設計となっており、解約返戻金がない、またはあってもごく小さい水準にとどまる掛け捨ての商品が多く見られます。

このような特徴から、逓減定期保険は資産形成を目的とした保険ではなく、一定期間の死亡保障を効率的に準備する手段として位置付けられることが一般的です。

保険料を比較的抑えながら必要な保障を確保できる一方で、貯蓄や資産形成を主な目的とする場合には、終身保険など他の保険商品と性質が異なることを理解しておく必要があります。

保険を検討する際には、死亡保障を重視するのか、貯蓄性も含めて考えるのかといった保障の目的を整理したうえで、商品特性を確認することが大切です。

一生涯にわたる保障ではない

逓減定期保険は、あらかじめ定められた保険期間中のみ死亡保障が続く定期保険の一種です。そのため、終身保険のように一生涯の保障が受けられるわけではありません。保険期間が満了すると保障は終了し、更新がない商品が一般的です。

保険期間満了後に保障が必要な場合は、別の保険への加入などを含めて改めて検討する必要があります。高齢期においても死亡保障が必要であると考える場合は、終身保険などとの組み合わせや、満了後の保障設計をあらかじめ検討しておくことが重要です。

逓減定期保険の特徴を理解したうえで検討しよう

逓減定期保険は、一定期間の死亡保障を準備する定期保険の一つです。保障額が時間の経過とともに減少する設計となっているため、必要と考える保障額の推移や保障期間を踏まえて検討することが大切です。

死亡保障の準備方法にはさまざまな選択肢があるため、自分の生活設計に合った保障内容を理解することが重要といえるでしょう。

生命保険を検討する際には、家計状況や将来のライフプランを踏まえながら考えることが基本です。保険の仕組みや保障設計について相談したい場合には、相談窓口を利用しながら検討することもできます。

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