生命保険(死亡保険)

生命保険の死亡保険金1,000万円受け取り時の税金はいくら?税金の種類も紹介

生命保険の死亡保険金1,000万円を受け取った場合、契約形態によって相続税・所得税・贈与税のいずれかが課税される可能性があります。同じ金額でも、適用される税金の種類によって税負担が大きく異なる点には注意が必要です。

本記事では、死亡保険金にかかる税金について詳しく解説します。また、死亡保険金1,000万円を受け取った場合に、税金がいくらになるのかをシミュレーション形式で解説しますので、ぜひ参考にしてください。

課税対象となる生命保険の種類とは

万一のときに頼りになる生命保険ですが、受け取る保険金の種類によっては税金がかかる点を正しく理解しておく必要があります。

生命保険の保険金は非課税と思われがちですが、税法上の取り扱いが細かく定められており、場合によっては相続税・所得税・贈与税のいずれかが課税されます。

課税対象となる主な生命保険は、次の3つです。

  • 死亡保険
  • 満期保険
  • 個人年金保険

死亡保険は、被保険者が亡くなった際に、あらかじめ定めた受取人へ保険金が支払われる仕組みの保険です。遺族の生活保障や葬儀費用の準備、相続対策などを目的として加入するケースが多く見られます。

満期保険とは養老保険や学資保険などのことで、保険期間が満了したときに保険金が支払われる保険です。保障と貯蓄を兼ね備えている点が特徴で、保障を得ながら将来の資金準備を目的として加入するのが一般的です。

個人年金保険は、老後の生活資金を準備する目的で加入する保険です。一定年齢に達すると、年金形式または一時金として保険金を受け取ります。

生命保険について相談したい場合は、「auマネープラン相談」が役に立ちます。忙しい社会人や外出が難しい方でも利用しやすく、お好きな場所で保険について無料で相談できます。

参考:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」
参考:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」
参考:国税庁「No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金」
参考:国税庁「No.1615 遺族の方が支払を受ける個人年金」

死亡保険金にかかる3つの税金とは

死亡保険金にかかる税金は一律ではありません。契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって、適用される税金は異なります。死亡保険金にかかる税金は、次の3つです。

  • 相続税
  • 所得税
  • 贈与税

複雑に見えますが、誰が保険料を負担し、誰が亡くなり、誰が保険金を受け取るのかを整理すると判断しやすくなります。

例えば、夫・妻・子どもの3人家族であれば、以下のようになります。

税金の種類

契約者
(保険料負担者)

被保険者

受取人

相続税

妻・子ども

所得税

贈与税

子ども

それぞれの税金について、詳しく解説します。

【契約者と被保険者が同じ】相続税

契約者と被保険者が同一人物である場合、死亡保険金はみなし相続財産として扱われ、相続税の課税対象となります。これは、被保険者自身が保険料を負担し、遺族がその保険金を受け取るためです。

ただし、受取人が相続人か相続人以外かによって、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が適用されるかどうかが異なる点には注意が必要です。なお、法定相続人とは、日本の民法により定められた相続する権利を有する人を指します。

民法では、配偶者、子ども(代襲相続を含む)、父母、兄弟姉妹などが法定相続人として規定されています。国税庁の相続税関連資料でも、これらの規定をもとに法定相続人の範囲や順位が整理されており参考になるでしょう。

参考:e-Gov法令検索「民法 第二章 相続人」
参考:国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」
参考:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」

受取人が相続人

死亡保険金の受取人が相続人である場合、相続税には特別な非課税措置が設けられています。具体的には、以下の計算式によって非課税となる上限額が決まります。

  • 500万円×法定相続人の数

この非課税限度額の範囲内であれば、死亡保険金を受け取っても相続税は課税されません。例えば、妻と子どもが法定相続人の場合、500万円×2人=1,000万円までは相続税の対象外です。

法定相続人の数は、相続放棄があった場合でも「放棄がなかったもの」として数えます。一方で、相続放棄をした人は相続人に該当せず、非課税枠の適用対象にはなりません。この点は混同しやすいため、事前に確認しておくことが重要です。

受取人が相続人以外

受取人が相続人以外(例:友人、内縁の配偶者、法人など)の場合、生命保険金の非課税枠は適用されません。そのため、受け取った死亡保険金の全額が相続税の課税対象です。

さらに、配偶者および一親等の血族(子ども・父母など)以外が取得する相続財産については、相続税額の2割加算の対象となります。受け取る保険金額によっては、想定以上の税負担となる可能性があります。

なお、生命保険金の受取人として指定できる範囲は保険会社や商品ごとに異なりますが、一般的には配偶者や一定範囲の親族に限定されるケースが多い点も押さえておきましょう。

【契約者と受取人が同じ】所得税

契約者と受取人が同一で、被保険者が別人の場合、死亡保険金は相続ではなく所得として扱われ、所得税の対象となります。多くのケースでは、死亡保険金は一時所得に区分されます。一時所得には特別控除50万円があり、次の計算式で課税対象額を算出します。

  • (受取保険金−払込保険料−特別控除50万円)÷2

一時所得は総合課税の対象であるため、給与所得などほかの所得がある場合は、それらと合算した課税所得をもとに税率が決まります。

ただし、死亡保険金を年金形式で受け取る場合は、一時所得ではなく雑所得となり、課税方法が異なります。

参考:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」

【契約者、被保険者、受取人がすべて異なる】贈与税

契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合、死亡保険金は贈与とみなされ、贈与税の課税対象となります。

贈与税には、暦年課税における基礎控除として、1年間あたり110万円が設けられています。受け取った死亡保険金が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。一方、基礎控除を超える金額については、贈与税率に応じた税金が発生します。

なお、最低税率の10%が適用されるのは、基礎控除後の課税価格200万円までです。課税価格が3,000万円を超えると、最高税率の55%が適用(一般贈与)されるため、贈与税は他の税金と比べても税負担が大きいといえるでしょう。

死亡保険金にまつわる税金についてお悩みの方は、ぜひ「auマネープラン相談」にご相談ください。家計の状況をもとに、税金の悩みを解決できるようサポートします。

参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

死亡保険金1,000万円にかかる相続税のシミュレーション

ここでは、死亡保険金1,000万円を受け取った際にかかる相続税のシミュレーションを紹介します。シミュレーションの条件は、次のとおりです。

  • 家族構成:夫、妻、子ども1人
  • 契約者・被保険者:夫
  • 死亡保険金:1,000万円
  • 相続財産:2,000万円(死亡保険金は含まない)

相続税は、受取人が相続人か否かによって、税負担は異なります。そのため、それぞれについて説明しましょう。

受取人が相続人の場合

受取人が相続人である妻の場合は、生命保険金の非課税枠が適用されます。上記のシミュレーションの条件では、法定相続人は妻と子どもの合計2人のため、非課税枠は500万円×2人=1,000万円と算出できます。

死亡保険金は1,000万円であり、非課税枠の範囲内に収まるため、上記の例では死亡保険金に相続税はかかりません。

ただし上記の例では、相続財産2,000万円についても税金の確認が必要です。相続税には基礎控除が設けられており、次の計算式で求められます。

  • 基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

上記例では、3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円が基礎控除の額です。そのため、相続財産2,000万円は基礎控除の範囲内に収まり、こちらも相続税はかかりません。

参考:国税庁「No.4152 相続税の計算」

受取人が相続人以外の場合

受取人が相続人以外の場合は、生命保険金の非課税枠は適用されません。そのため、受け取った死亡保険金の全額がみなし相続財産として相続税の課税対象となります。

上記の例においては、課税対象となる相続財産の合計額は死亡保険金1,000万円+相続財産2,000万円=3,000万円です。

しかし、相続税には基礎控除が設けられており、この例における基礎控除額は4,200万円です。受取人が相続人以外の場合であっても、相続財産の合計額が基礎控除の範囲内に収まるため、相続税はかかりません。

なお、死亡保険金は受取人固有の財産とみなされます。この例のように、相続人以外の人を受取人として指定している場合、死亡保険金はすべて、その受取人が取得することになります。

参考:国税庁「No.4152 相続税の計算」

死亡保険金1,000万円にかかる所得税のシミュレーション

ここでは、具体的な条件を設定したうえで、死亡保険金1,000万円に対する所得税のシミュレーションを紹介します。シミュレーションの条件は、以下のとおりです。

  • 家族構成:夫、妻、子ども1人
  • 契約者・受取人:夫
  • 被保険者:妻
  • 死亡保険金:1,000万円
  • 払込保険料総額:400万円
  • 契約者(夫)の課税所得:300万円

この条件では、死亡保険金は一時所得となり、以下の計算式で課税対象額を求めます。一時所得は、収入金額から必要経費(払込保険料)および特別控除50万円を差し引いた後、その2分の1が課税対象となります。

  • (受け取った保険金−払込保険料−特別控除50万円)÷2

この計算式にあてはまると、次のようになります。

  • (1,000万円−400万円−50万円)÷2=275万円

この275万円が、一時所得としての課税対象額です。

次に、もともとの課税所得300万円に一時所得275万円を足すと575万円となり、これが最終的な課税所得となります。下記の所得税率表に基づくと、課税所得575万円は「3,300,000円 から 6,949,000円まで」に該当するため、税率20%の区分が適用されることになります。

所得税率は20%、控除額は42万7,500円となり、所得税は以下のように算出されます。

  • 所得税=(575万円×20%−42万7,500円)×1.021(復興特別所得税)=73万7,672.5

所得税は100円未満は切り捨てのため、上記の条件における所得税は737,600円です。2037年までは復興特別所得税として2.1%が加算されます。

【所得税の税率・控除額】

課税所得

税率

控除額

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

0円

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

97,500円

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

427,500円

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

636,000円

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

1,536,000円

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

2,796,000円

40,000,000円 以上

45%

4,796,000円

参考:国税庁「No.1490 一時所得」
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」

死亡保険金1,000万円にかかる贈与税のシミュレーション

ここでは、死亡保険金1,000万円にかかる贈与税について解説します。贈与税は、暦年課税では原則として利用できる控除が基礎控除の110万円のみである点が、大きな特徴です。

贈与税のシミュレーションの条件は、以下のとおりです。

  • 家族構成:夫、妻、子ども1人(15歳)
  • 契約者:夫
  • 被保険者:妻
  • 受取人:子ども
  • 死亡保険金:1,000万円

贈与税では、暦年課税においては年間110万円の基礎控除が認められているため、死亡保険金についても、この金額を差し引いた金額が課税対象となります。そのため、1,000万円−110万円=890万円が贈与税の課税価格です。

以下の表から、890万円の税率は40%、控除額は125万円のため、贈与税は次のように算出されます。

  • 890万円×40%−125万円=231万円

【贈与税の税率・控除額:一般贈与財産 】

課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

0円

300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,500万円以下

45%

175万円

3,000万円以下

50%

250万円

3,000万円超

55%

400万円

以上の計算から、死亡保険金1,000万円を受け取った場合、231万円の贈与税が発生することがわかります。贈与税が適用される場合、死亡保険金の約4分の1が税金として差し引かれる計算です。

相続税には非課税枠が設けられており、所得税には特別控除などがあります。一方、贈与税については、基礎控除を除くと適用できる軽減措置が限定的であり、結果として税負担が大きくなりやすいケースが多い点には注意が必要です。

死亡保険の加入を検討する際は、保険金を受け取る際の税金をきちんと理解しておくことが重要です。特に、贈与税が発生する契約形態は、税負担が重くなりがちという点を押さえておきましょう。

死亡保険への加入を検討する場合は、事前にプロに相談するほうが安心です。「auマネープラン相談」であれば、どの契約形態が適しているのかを提案できます。保険の加入から受け取りまでを相談したい場合は、ぜひご利用ください。

参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

死亡保険金を受け取った場合の申告方法

死亡保険金を受け取った場合、必ずしも全員に税金がかかるわけではありません。しかし、課税対象となる場合には、税金の種類に応じた正しい申告が必要です。

申告が遅れたり、申告漏れがあったりすると、本来納める税金に加えて延滞税や加算税などのペナルティが課されることがあります。そのため、申告方法や期限についても、あらかじめ押さえておくことが重要です。

ここでは、死亡保険金を受け取った場合の申告方法を、税金の種類ごとに解説します。

相続税がかかる場合

契約者と被保険者が同一で、受取人が相続人の場合は、死亡保険金は相続税の対象です。この場合、死亡保険金のうち非課税限度額を超えた部分については、預貯金や不動産などのほかの相続財産と合算したうえで相続税額を算出します。死亡保険金だけを切り離して課税関係を判断することはできない点には注意が必要です。

相続税には申告期限が定められており、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納税を行わなければなりません。期限を過ぎると、延滞税や加算税などのペナルティが課せられる恐れがあるため、早めに課税関係を確認しておきましょう。

参考:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」

所得税がかかる場合

契約者と受取人が同一で、被保険者が別人の場合は、受け取った死亡保険金は所得税の対象です。この場合、死亡保険金は一時所得として扱われ、所得税と住民税が課せられます。

会社員であっても、年末調整では処理できません。死亡保険金による所得税が発生した場合は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告の手続きを行いましょう。

受け取る保険金が高額になるほど税負担が増えるため、事前に税金の目安を把握しておくと安心です。

参考:国税庁「所得税の仕組み」

贈与税がかかる場合

契約者・被保険者・受取人が異なる場合は、死亡保険金は贈与とみなされるため、贈与税の対象です。贈与税は相続税や所得税と比べても税率が高く、基礎控除(110万円)を超えた部分に対しては累進課税が適用されます。

贈与税が発生する場合は、保険金を受け取った年の翌年2月1日から3月15日までに申告しなければなりません。

同じ金額の死亡保険金であっても、契約形態によって税負担は大きく異なります。特に贈与税が生じる場合は、税負担が大きくなりやすいため注意しましょう。

参考:国税庁「No.4429 贈与税の申告と納税」

死亡保険に加入する場合の注意点

死亡保険は、契約の仕方によって税金の扱いが大きく変わります。契約者・被保険者・受取人の3者の組み合わせによって、相続税・所得税・贈与税のいずれが適用されるかが決まります。同じ死亡保険金額であっても、契約形態が違うだけで税負担が大きく異なる点は、注意が必要でしょう。

また、死亡保険は長期間にわたって契約を継続するケースが多く、加入時点と受け取り時点で相続人の構成が変わっていることも珍しくありません。そのため、定期的に受取人の設定を見直すことも重要です。

特に相続税においては、生命保険金の非課税枠を活用できる契約形態になっているかどうかの確認が欠かせません。制度として用意されている枠を正しく理解したうえで契約することは、結果的に遺族の税負担を軽減することにつながります。

死亡保険金の税金はわかりにくい部分が多いため、専門家へ相談するのがおすすめです。死亡保険金の税金について相談したい場合は、「auマネープラン相談」をご利用ください。無料でプロに相談できるため、税金に関する悩みを解決できます。

死亡保険金を受け取ったら税金を確認しよう

死亡保険金は、受け取る金額そのものだけでなく、いくらの税金が発生するのかを理解したうえで契約することが重要です。なお、死亡保険金は、その契約形態によって「相続税」「所得税」「贈与税」の3つの税金のいずれかがかかります。

同じ死亡保険金であっても、税金の種類によって税負担は大きく異なります。その違いを正確に把握しておかなければ、「想定以上の税金がかかった」といった事態になりかねません。記事内でのシミュレーションからもわかるように、贈与税は税負担が大きくなりやすいという特徴があるため、注意しましょう。

また、死亡保険金を受け取った際は、必要に応じて期限内に申告・納税を行わなければなりません。死亡保険金は、遺族の生活を支える大切なお金です。その価値を最大限に活かすためにも、加入や受け取りの際には専門家の力を借りることを検討しましょう。

どこに相談すればよいかわからない場合は、ぜひ「auマネープラン相談」をご利用ください。税金を考慮した、あなたに適した死亡保険を提案できます。

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